「悩める母親の参考になるのではないか、たくさんの方々を励ますことができるのではないかと思いました。」
というお言葉をいただき、私からの
「それならばコメント欄ではなく記事にしましょう。」
という呼びかけにOKをしていただけましたので、ここに公開させていただきます。
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私はうつ病患者でした。
娘が小学校へあがる直前に発病し、小学2年生の時に娘と息子を児童センターへ預けて入院することもたびたび。児童センターでは、食事はもちろん、洋服も家庭から持参しなくても貸してくれ、午前中は勉強、午後は外へお散歩へも連れて行って下さるとのことでした。センターの所長さんには、
「皆、家にいるより楽しいと喜んでいます。安心してあずけて下さい。」
とも言われ、ずっと入院を拒んでいた私も、一日も早く元気になりたい一心で入院しました。
当初一ヶ月の予定でしたが、担当の医師に「うつ病は治りません。退院も無理です。」と断言され、薬三昧で寝ている(眠らされる)しかありませんでした。
センターへ連絡をすると、
「お子さん達の笑顔も消え、口もきかなくなっているので、至急お迎えに来てあげて下さい。」
とのことでした。
やむなく祖父母(両親)の家にしばらく子どもを預けることになりました。できればそうはしたくなかったのですが・・・。
なぜなら、子ども達にとって、家庭と偉大なる母(家族)の愛が一番大事。まずは温かい家庭があり、学校→地域→社会へと進む中で、子どもは学び成長していくものだから、まずは家庭から。そう信じてきた私にとってそれは悲しい決断でした。
しかし、子育てがままならなくなってしまったのだから仕方なく、結局は現在まで祖父母にお世話になっております。
歩いてわずか5分、台所の窓を開けると線路越しに見える距離…。しかし私には遥か遠くに感じられる一番行くことのできない場所。また、具合が悪くて何日も行けなかったことも多々あります。
子ども達を連れ、これからどうなってしまうのか不安でどん底だった時、音楽が大好きだった私は近くのライブスペースのあるスーパーへ買い物に行き『ワカバ』という、アーティストと運命的な出会いをしていました。響く歌声と、若い彼らのあまりにも謙虚な姿に心うたれ、その場でCDを買い子供達に聞かせると、「いいねぇ~。すごくいいねぇ。」と大反響でした。
娘の入学式が終わり、少し落ち着いてからは、許される限り子連れでライブに足を運びました。彼らの音楽、人柄に触れていれば間違いないと確信していたからです。
そして・・・・・娘は3年生の時に吹奏楽部へ自ら入部しました。人から言われないとできない子が・・・「積極的に出来る子」へと変わりました。私たち親子は音楽の力で大きく変わりました。私の病状も改善しました。
病める時も健やかなる時も、いつもそこには音楽がありました。私達の家庭に笑顔を降り注いでくれました。
この6年間、ずっと我慢してきたのでしょうか。少しずつ大人への階段を登り始めた麻由も、反抗期のかたわら、「お母さん」とつぶやいてしがみついていることも多くなりました。
抱きしめることも抱きしめられることも少なくなってしまった母子がやっと「母娘」になれた瞬間でした。その時、「遠回りしちゃったな。ごめんね。」心の中で何度も娘の温もりを確かめていました。
もちろん、そうなるまでの過程には音楽だけでなく、お世話になった担任の先生方、学童保育の先生、吹奏楽部顧問の先生の親身なるご指導あってのことと感謝申し上げるのはいうまでもありません。
そしてそのことに気づいたのは、現担任である井上先生の「マインドマップの不思議な力」が隠されているのでした…。


