思い起こせば、ノリノリの学年教員集団だったのだろうか。
「卒業式で生徒を送り出す曲を、私たちが生バンドでやろうよ!」
そんな先輩音楽教員の意見にみんなが合意し、生徒にも親にも秘密で猛練習が始まった。音楽の先生はもちろんピアノ。他の先生も学生時代に手に覚えのあるギターやクラリネット、サックス、エレクトーン、フルートなど、それぞれに楽しんでいた。
苦しんだのは私である。
楽器など習う余裕も買う余裕もない貧乏人の息子である。(ご両親様、こんなことを書いて、あいスマン)
やったこともないドラムを担当した。
ヒェ~~~~~、できるわけないじゃん(T_T)
この企画が決定以来、連日のドラム練習が始まった。ドラムと言っても短期間で私ができるのは、「小太鼓」「シンバル」の二つを組み合わせた変式簡易式ドラムのみ。
曲はサザンオールスターズの「希望の轍(わだち)」
頑張りましたよ練習を。この時は。
だって卒業式だもん。
おかげさまで、何とか形にはなりました。
「希望の轍」
私にとっては生涯忘れることのできない一曲となったことは疑う余地もありません。


