移動介助、排泄介助、食事介助。この3つが介助の中でも特徴的な介助と言える。
移動介助・・・
車椅子の生徒の中には電動車椅子も操作できない生徒が実はほとんどで、当然自力で車椅子をこぐなどということはできなかった。そうすると、教員が押して移動する以外に方法はない。高等部なので重い子になると最高で100㎏ある生徒がいた。生徒自身も大変だし、押す教員も大変だった。
車椅子への乗り降りも教員の手によるケースが多かった。研修を積んで慣れているから腰痛にはならなかったが、慣れていない人が下手に介助しようとすればぎっくり腰になりかねないだろう。
排泄介助・・・
自力でトイレに行けない生徒が7割。小学部はもっと割合が高くなる。男子トイレには専用の尿瓶(しびん)置き場がある。女子トイレは抱きかかえておろせるように、ベッドがあったり広くなっていたり。
食事介助・・・
脳性まひの生徒は、身体中に緊張が入り、咀嚼(そしゃく)をすることもできない。なんと食道の筋肉も健常者とちがう動きをする生徒もいて、慎重に食事介助しないと食べたものが肺の方に行ってしまうこともありえる。私たち教員にとっては、給食の時間は命に関わる重大な時間である。誤嚥(ごえん)によって窒息死する事故も起こりえる状況で、緊張の中での給食となる。
自分のひざの上に生徒を抱きかかえ、ミキサーにかけてドロドロにした食事を特注のスプーンで口の中に運び、生徒のあごに手を添えて、あごの動きをサポートしながら食べさせるという場面を文字だけで想像できようか?
しかもその体勢の中で、自分の食事もすまさなくてはならない。
しかし、こんなに大変なことを家族はずっと続けているのだ。それを思えば・・・・・ね。
(つづく)


