「進路は生きる道筋」
とかく進路というと、ゴール地点をイメージしてしまうが、そうではない。施設に入ることが生きる目的になってはいけない。家族も子どもも含めて、『どんな生き方をしていくのか』ということが進路である。
障害が重いと周りの人間が進路を決めてしまうケースが多い。しかし自己主張ができない重度重複障害の子であっても、人間として生まれたからには基本的人権がある。健康で文化的な社会生活を送っていく権利があると憲法に定められている。法律で定められていなくても、充実した人生を選んでいける権利は当然あるはずである。
進路を考えるに当たって大事なことは、「生き方」「生き様」を学ぶことである。自分はどんな生き方をしていきたいのかを徹底的に考えることである。
大学に受かることが人生の目的ではない。
会社に入ることが人生の目的ではない。
教員になることが人生の目的ではない。
自分の進んで道でどのような生き様を見せていくか、自分が納得のいく道のりをどう歩んでいくかが「進路」なのである。そう考えれば、人間の一生が進路を求めていくための道程である。
自分が進んで道で、どう社会に貢献していくのか。
この世界をどうやってより良く変えていくのか。
こうした出発点から進路を考えていくことで、深い節目を心に刻んでいけるものである。
最後に「節目」という言葉について説明すると、人生を竹に例えると、竹は節目があるから真っ直ぐに強い成長を遂げていくことから、人間の人生も節目をしっかり刻んでいくことで、強い人間になれるという例えである。
(続く)

