


今日の補習教室での出来事である。
2年生クラスで私がプリントの○付けをしていた。一人ひとり順番に○をつけていくので、自然とこどもたちの行列ができる。5~6人は並んでいただろうか。そんな中で、目の前の男の子がとなりの子の頭をぶった。私は間髪入れずに指導を入れた。
「おい、君、この子の頭をぶったのは何か理由があるのか?」
「理由はないです。」
「理由もないのに、ぶってはいけませんね。そういうことをすると学校中が悪くなっていくので、もう家に帰っていいです。」
補習教室なので、特に学校にいなくてはならないわけではない。人に迷惑をかける子は来なくていいのだ。
さすがにその子はおとなしくなった。
ただそれだけならば記事にはしない。その後のその子の態度が素晴らしかったのだ。
次のプリントを仕上げて列に並んだ。
並んでいる間、静かに真面目にしていたので、私は少しは反省してくれたと判断し、それ以上追い込むことをやめた。
列が進んでその子の順番になり、私の前に来た。その第一声。
「先ほどはすみませんでした。」
そしてペコリと頭を下げた。
その潔い態度、ていねいな言葉づかい、素直な心。私は感動した。そして握手をしながらこのように褒めてあげた。
「○○君、素直に反省できたんだね。素晴らしいことです。失敗は誰でもするけど、それを素直にあやまれる人はすごい人なんです。しかも『先ほどはすみませんでした。』という言葉は6年生でもなかなか言えませんよ。きっと君のお母さんは素晴らしい方なんだね。君にそういうことをきちんと教えてくれる方なんだね。ぜひとも会いたいな!」
この後、この子が一生懸命勉強していたのは言うまでもない。
小さいな出来事かもしれないが、私の心の中ではかなり大きな宝物になった。