辰巳ジャンプにとって、7月は明日で終わりなのです。来週はほとんど全国大会のお手伝いモードになるので、練習は明日の鎌ヶ谷交流会が最後となる感じです。
7月中は秋に向けて色々な可能性を試してみると言い、実際に試行錯誤してきました。私の行動は傍から見ていると感情的なように見えることもあると思いますが、実はいたって冷静。先々を見通しながら逆算して今を鍛えているつもりです。
前置きはそこまで。
今日の練習では午前中いっぱいかけて、この夏休みの「個人目標」を体育館に掲示させました。「いくらでも書いていいよ」と言ってあったので、書くは書くは紙が足りなくなるほど辰巳っ子たちは目標を書きました。
嬉しいではないですか!
子ども達がたくさんの目標を持って練習に励んでいるのです。いろんな人に見せてあげたいくらいです。素晴らしい子ども達です。
世の中、何の目的もなく、ただ生きているだけという若者がいる中で、小学生時代に私が与えた紙に書き切れないくらいの目標を立てて頑張ろうとしているのです。辰巳っ子の意識の向上を確かに感じた瞬間でした。
さて、今日の練習試合は応援席の多くの方から「声が出ていないよ!」という指摘がありました。たしかに元気はつらつな声は出ていなかったのですが、私にはあまり気になりませんでした。だから「声を出せ」とは言いませんでした。
なぜか?
それは、子ども達がみんないろんなことを考え、たとえ点を取ったとしても、その内容に満足していないことがよく伝わってきたからです。
今、子ども達には「考えろ」「頭を使え」ということを指導している最中です。いろいろなことを必死に考えようとしている時に、まわりが無理に「声を出せ」と言っても無理なのです。はたしてそのことが分かって「声を出せ」と言っていた人がいるでしょうか?
指導は難しいものです。サポーターは絶対に「指導」をしてはいけません。
指導をしたい場合は、バレーボールのことをしっかり学び、毎回の練習に子どもより早く体育館に集合して、一緒に練習に励むことが最低条件となります。
卓球の話になりますが、世界最強の中国卓球が最も伸びた1960年代の中国ベンチは、物音一つしないほど静かだったのです。自国の選手の試合を真剣な厳しい眼差しで見守っていた。それは「峻厳(しゅんげん)」という言葉がピタリとはまる雰囲気でした。
辰巳ジャンプの子どもたちは今、本当に真剣にバレーボールに取り組もうとしています。今必要なことは、指導者としては具体的なアドバイスをできる限りの智慧を出してしてあげること。サポーターとしてはそっと静かに見守ってあげることだと思います。