公立学校は来る4月から、大きく変わろうとしています。「新指導要領」実施、学校完全週5日制など、上からの教育改革が進められます。そんな中、昭和48年に書かれた大村はま先生という方の本を読み直してみました。
抜粋が長くなりますが、自分に言い聞かせるという意味で書き込みます。
私は子どもたちにとって、重荷になるような先生になりたくないと思います。子どもたちは私といっしょに勉強した間につけてあげることのできた力で、力いっぱい自分の人生を生きていく。それでもし思い出してくれなくたっていいではないかと思うのです。あの仏様の指と同じように・・・・・。
もしほんとうにすばらしい教師であったなら、子どもは私のことなど思わないかもしれないと私は思います。あの仏様の指のような存在でありたいと思います。そして豊かな力を、先生の指がふれたことも気づかずに、自分の能力と思い、自分のみがき上げた実力であると思って、自信に満ちて、勇ましく次の時代を背負って行ってくれたら、私はほんとうの教師の仕事の成果はそこにあると思うのです。
そして、仏様の指のようなみごとな技術をもちたいと思います。めだたない、させられているとは思わない場面の中に子どもを入れて、子どもたちを勉強させたいものだと思っているのです。そうする時にはじめて未来の幸福を作り出す、一本立ちした、一人で生きていける人間というものが、できていくのではないかと思います。
私たちは教師であれば、今の社会よりは次の社会へ希望をつないで生きていける種類の人間なのだと思います。次の社会へ希望をつないで、そこに生きがいを認め、そこを生きる人を作ろうと思ってやっているのだと思います。ですから、みんなが自分の力だと信じ、先生のことなんか忘れてしまってくれれば本懐であると思うのです。