ティーツリー油の入った化粧品を肌に塗ると、
肌の症状が改善する場合がありますが、なぜでしょうか。
ティーツリーはオーストラリアの水辺に自生する植物ですが、
その精油成分は、スーッとした少しユーカリに似た香りがします。
ティーツリーの精油成分には、抗菌作用を持つ成分が含まれています。
植物からとれる精油には多かれ少なかれ、
抗菌成分が含まれているのですが、
ティーツリー由来の抗菌成分は殺菌できる微生物の種類がとても多く、
ほとんどの細菌、真菌、ウィルスに比較的低濃度で効果を発揮します。
アトピー肌は、健康な肌にはほとんどいない
「黄色ブドウ球菌」が多く繁殖しています。
黄色ブドウ球菌はそれ自体がアレルゲンになるため、
アレルギー反応により皮膚の炎症を悪化させるのです。
ティーツリーの抗菌成分は、この黄色ブドウ球菌を殺菌するため、
皮膚の症状が改善するのです。
ティーツリーは抗菌作用があるとはいえ、
抗生物質のように強くなく、また持続性はありません。
どちらかというと消毒薬に似た性質を示します。
また、皮膚の内皮にまでは浸透せず、ほとんど表皮表面でのみ作用します。
さらに、精油成分の中では皮膚への刺激が低い部類に入ります。
そのため、アトピー肌でも比較的安心して使うことができるのです。
参考文献:
甲田雅一ほか「総説 ティーツリーの抗菌作用」『Journal of Japanese Society of Aromatherapy』Vol.4,No.1,22-27