僕の元に不登校で悩まれているママたちがまるで駆け込み寺のように扉を叩いて訪れます。そのとき僕が見つけるのはママたちの心の不安定で疲労しきっている現状です。
家の中のことも自分のことも誰にも本音を語ることができません。語る場所もありません。
「本音を語るふりでできないままでした」ママたちはそんな自分に気づき始め心の根元の部分から本心を包み隠さず打ち明け始めます。
旦那様にも子供たちにも実家の親にも話せないありのままを晒してきます。
そして…
涙を流されます。
わんわん泣く人もいます。
すると…
翌日から眠気で昼間も横になったりゆっくり体を休める時間を必要とします。
不登校の始まりから今も続くママとしての役割へ体の緊張は限界までご自分を追い詰める方が多いのです。
不眠や食欲不振や身体の強張りなど踏ん張って子供たちを死守していくための試行錯誤をして懸命に尽くしてきた跡がそのままなのです。
涙は心の浄化作用です。
涙が心の根元からあふれ出た後はママが幼子のようにぐっすりと眠りに就いてしまいます。そこから休息をして10日くらい過ぎると心が前を向き始めます。
僕とママの二人三脚はそこからが始まりです。
僕はママと家の中の空気すべてを真新しく建て替えをします。
ママの内面や思考や思い込みをすべて取り払う作業をしていきます。子供たちの行動や思考や思い込みも取り払う作業をします。
ママに向き合う覚悟が必要になります。
一人きりでの作業ではなく僕が寄り添うので笑顔が少しずつ増えていきます。
そして…
ママの心が安定を始めて心からママが荷を降ろし始めるころです。
子供たちが「学校へ行こうかな」とポツリポツリ言い始めて本当に学校へ行くようになっていきます。
ママの心はダイレクトに子供達へ伝染します。不登校のお子様たちをどうにかする前にまずはママの背負った荷物をいっしょにゆっくり降ろしてあげること。僕の肩へほんの少し寄りかかる時間があるとゆっくり荷物も手放して必要な物だけを選んで立ち上がっていきます。
肩に少し寄りかかる時間やホントを晒せる瞬間はママにいちばん必要なんです。
僕は、立ち上がって歩きはじめるママの顔から笑顔が溢れる瞬間が大好きです。子供たちと心底の笑顔でパパを囲んで写真を撮る姿は忘れられない最高の喜びを共感できます。