僕はUberとウォルトの超超常連です。
近所はスーパーからコンビニそしてGODIVAの店から高級料理店までなんでも届けてくれます。自由が丘や中目黒や三軒茶屋なども徒歩圏内なので、好きな物が食べられる便利な住宅地です。
僕は配達をしてくれる人たちに女の子が増えたことに気づいた。それは昨年の今頃だった。ネットスーパーも重い籠を重ねて腕に抱えて宅配をしている。
最近は学生の女の子たちが深夜に急増している。夜の配達を女の子が自転車に乗ってお仕事をしている現況下が存在しているのです。
クリスピーチキンアンドトマトは韓国のチキンのお店です。
チキンを運んでくれたのは女の子で、僕は直接手渡しでもらうことになってしまったのです。手渡しをしたいと事前のメールが来たのです。
インターフォンが鳴って扉を開けるとまだあどけなさが残るはっきり残る年頃でした。
女の子は、自転車を転倒してチキンの箱が少し潰れていました。女の子は擦り傷で手と顎の血が噴き出ていました。
僕は聞きました。
「転んだん?」すると…「すみません…」と、ひとこと。そして半泣きをして商品のことと時間が遅れたことをひたすら謝っていました。
僕は家に入れて、手を洗って顔を洗って傷の消毒と絆創膏を貼って帰しました。こんな経験は初めてでした。配達員はいつも玄関先に置いてもらうのでありえない出来事でした。
僕は帰り際にこう聞きました。
「こんな夜遅くに危ないよ。どうして昼間しないの?」
すると…
「そうなんですけどこの時間帯はライバルが減るんです。それに目標額に達してなくて」
「学生?」
「はい…」
最寄りの駅前の商店街は飲食店だけで550件も軒を並べるので、デリバリー配達員にとっては激戦区です。その激戦区でさえアルバイトがまんぼうで減らされてしまったそうです。
学生たちにとってはUberやウォルトなどの配達は命綱になっているそうなのです。
僕の学生時代とも、ほんの少し前まで大学生をしていた時代とも違う。コロナ時代の渦の只中で、息をしなければならない学生たちへ想いを馳せていると、僕はかなり心が痛くなりました。
戦時中を生きているわけでもなく…
大恐慌を生きているわけでもない…
新型コロナウイルスという災難が前触れもなく襲ってきた。そして学生たちは大人と同じように逃げられる場所はどこにもなくなった。
そして夢を追いかけていたり、キャンパスライフやサークルや留学やワーキングボリデーやパックパッカーやたくさんの目標や、願望を掲げて入学したはずなのに…
貴重な時を時代によって奪われてしまった。
学生たちの痛みや悲しみや寂しさや孤独は計り知れない物です。大人たちよりずっと経験値が浅く想像力も乏しいだけ失望もしやすいからです。
学生時代や子供だから許される特権の年齢にしかできないことがなかなかできない今の時代に、大人の僕たちの遥かに超えた想像を絶する辛さを抱えているのは間違いないことです。
それでも…時代によって奪われた夢や希望を全部をあきらめることはして欲しくない…。
どうか踏ん張って今を乗り切って欲しい…と僕は自転車で転んでしまった女の子を手当てしながら思わず願ってしまったのだ。
未来に不安があって足がすくみそうな時は、今日のことだけを考えるといい。一瞬一瞬に集中することができるとけっこう楽になる時がある。そしてマルチタスクよりシングルタスクでその日をこなしてみること。
そして…
どうしてもどうしても気持ちが上がらないときはそんな自分を認めるのも勇気。また気持ちは上がっていきます。一旦落ちた気持ちは上がるしかないから。
大丈夫!
日本全国の学生たち踏ん張れ!
I'm not afraid, I'm not afraid…
怖くなんかない!
Just lettin' you know that, you're not alone
忘れるなお前は一人じゃない!
Hold, hold on, hold onto me
Cause I'm a little unsteady
A little unsteadyIf you love me, don't let go
パパ、ママ…僕から離れないで
少しふらふらしてちょっと不安定なんだ…
愛しているなら僕をそのままにしないで…
That keep on falling from your mouth
Falling from your mouth
Falling from your mouth
Tell me
あなたの口から溢れ続けるその言葉で
あなたの口から溢れる
教えて欲しい何故なの?…