僕はかつてないほどに声を上げて泣いた。泣き叫んでいた。
悲しさとショックで涙が止まらなかった。
理由は、世界のサンゴ礁の死。世界の5割のサンゴ礁が死んでしまったの知っていました。その現実は、知っていました。
海は生命の源であり、あらゆる事象をコントロールしています。天候も僕たちが呼吸をする酸素もコントロールしています。健康な海がなければ、地球も健康ではいられせん。世界中の海の底に広がる壮大なサンゴ礁は僕たちが食べる海産物の多くが生まれる場所です。サンゴ礁は五億人以上の人の食糧の供給源であり収入源であります。
サンゴ礁は地球上の人間に計り知れない恩恵をギフトしてきました。僕たちは、知らないだけでサンゴ礁から頂き物ばかりをしてきました。
海は60年前まで人の影響力を受けないと言われた楽園でした。しかしここ半世紀たらずで変わり果てた姿になってしまいました。
見えないから人間への理解がされにくいけれど海の中の絶妙な生態パラダイスを破茶滅茶に破壊したのは人間です。
僕は海へ潜るとき、人間はお客様だと思っています。魚たちの住処で海そのものが地球という生命体の存続にとっては不可欠です。
まだ再生できる機会は残されています。
僕にとって海は生活拠点でした。海に触れて感触を肌で受けて、跳ね回るほどの歓喜と情熱と人生をくれた大事な場所です。
オーストラリアのグレートバリアリーフのサンゴ礁の大きさは地球の外から宇宙飛行士が見つけることができるほど壮大なデカさをしています。
僕が見せてもらった映像はコロナによってオーストラリアへ戻れなかった期間に自らの足で潜ることができなかった期間の変わり果てた姿でした。
サンゴ礁の死の残骸を映像から見せてもらったとき、僕はショックで泣いて泣きました。サンゴ礁の美しさに恋をして愛していたからです。
変わり果てたサンゴ礁の姿はまるで戦場の焼け野原のように骨組みだけが残っていて、魚の住処なはずが、魚が一匹も寄り付きませんでした。
海がかけがえのない存在だということを教えてもらいました。