南関東川地塾11-1 歴史は繰り返される | 見えない翼

見えない翼

私達は誰もが夢に向って翔る“見えない翼”を持っています。しかし、多くの人々が夢を追う事を諦め、翔る事をいつしか忘れて・・・。
そんな世の中にあって、パラグライダーの世界一へ挑戦し続ける父と重度の障害を持ちながらも懸命に生きようとする息子の奮闘日記です。

<お仕事> 晴れ

冬型気圧配置となった今日は、正に丹沢デー。

川地は塾生に拾ってもらって、何とかエリアへ。

塾生の集合も早く、朝からやる気が全開モード。


今日は、タンデム川地塾も兼ねている。

タンデム機で飛ぶことで、現場で、リアルな環境で

フライトコースや状況判断、ルート選択を教えるのだ。


12時頃に南風が強くなる事が予想されたので、

早い時間なら松田山方面へ行けると考えて、

ルートを組んだ。



実際には、二ノ塔,三ノ塔周辺のサーマルが弱く、

高く上がれなかったので、移動ができず、

やっと移動ができた頃には、南風が強まってしまった。


結果、松田へ行く途中でランディング(着陸)。

松田山のアウト&リターンはできなかった。

距離はとても近いが、XCといっても過言ではなく、

実はハードルがとても高いのだ。


教えるという事は、成功例だけでなく、

失敗例を見せる事も重要な事である。


そういう意味で、先週末に開催された、

丹沢,松田の合同セミナーの中で、

緊急ランディング巡りをした事は、とても良い事であり、

もっと沢山の人が参加すべきだと思う。



さて、今日は丹沢でアクシデントが連続した。


まず、ランディングで一件。


本人の弁を超短くいうと、 「 風が悪かった 」 になるが、

私から言えば 「 悪い風が見えていない 」 となる。

本人が、このことに気付き、自覚しないと、

また形を変えて繰り返してしまうだろう。


実は、この方に限った事ではなく、

同様な類のパイロットは、意外に沢山居る。

そこは、地雷が埋まっているだろうという所を

平気で横切るのだ。そして、事件が起きる。



そして、もう一件が山で発生した。

(こちらは、もっと深刻な事態になった)


アクシデントの詳細は割愛するが、

場所や経緯は違えど、原因は同じで、

「 地雷(悪い風)が見えていなかった 」 と言える。


今から20年近く前、川地が始めて丹沢に来た時は、

諸先輩方の飛びを見よう見真似で飛んでいたが、

その時は、私も風が見えていなかった。


しかし、レベルも上がった現在、

事故の起きた現場の悪い風が見える。

だからハッキリ言おう、ハイリスク・ローリターンだと。


昔の様に、標高で2000m以上まで

上がる事が当たり前だった時代とは違い、

最近では、温暖化の影響か?

1500mそこそこしか上がらないような時代に、

突っ込む事は、ハイリスク以外の何物でもない。


過去にそうして、アクシデントが起こっている以上、

また、会員が安易にその選択をする以上、

エリアルールとして設けても構わないと思う。


西方面へ行くには、他にもルートがある

地雷が沢山埋まっているルートをわざわざ選ばなくても。



今回も、歴史は繰り返されてしまったが、

今度こそ、この事を機に、丹沢エリアが

より良い方向へ向かうことを願いたい。