最後の一人 | 見えない翼

見えない翼

私達は誰もが夢に向って翔る“見えない翼”を持っています。しかし、多くの人々が夢を追う事を諦め、翔る事をいつしか忘れて・・・。
そんな世の中にあって、パラグライダーの世界一へ挑戦し続ける父と重度の障害を持ちながらも懸命に生きようとする息子の奮闘日記です。

<学校->整形外科> 晴れ

部屋の中は暖かいが、玄関を一歩外に出ると、

日差しがあるが、風がとても冷たい。北風だ。

車に乗る時にショウの怒りが頂点に達する。


今日は、手術をした整形外科のリハビリの日。

今日も午後は仕事をしている暇がないので、

午前中勝負。


いつものように、気が付くと、お昼になっている。

最近はメールを書いて出していることが多いので、

時間の経つのがとても早く感じる。



ショウの回復は順調らしい。

一月には、術後の精密検査をする予定だ。

亜脱臼も治っていれば良いのだが・・・。



ショウがリハビリを受けている間、

パパはロビーで書類を書いていたが、

子供の数が少なくヒッソリとしていた。


退院直後は、同時期に手術を受けた親子が

まだ病院に残っていて、話相手になってくれた。

子供の数も多く、賑やかだった。



リハビリ後に、

ショウにスープを与えるために給湯室へ行った。

ある病室の前を通った時に、ショウと同じ日に

手術を受けた女の子が居ることに気が付いた。


ショウより一歳年上だが、知的には問題なく、いや、

普通の子以上にしっかりしていて、おかあさん思い。

バレリーナを夢見る女の子だ。



どうやら、

同期では、“最後の一人”になってしまったらしい。

でも、来週には退院できるそうだ。


約3ヶ月の入院生活。

私は、1ヶ月でもキツかったのに・・・、

やはり、母は強し!

女性の持久力は凄いなぁ~。 (@_@;)



ロビーでスープを与えた後に、

もう一度病室を訪れ、お別れの挨拶をした。

お互いの健闘を祈った。


今回の手術で足が良くなれば、

きっと素的な踊りが出きるに違いない。

(ショウは、どんな夢を持っているだろうか・・・?)


多分、もう会うことはないだろう。

寂しい気持を残し、病院を後にした。



駅でワイフを拾って帰宅した。

ショウは、リハビリで疲れたのか、

ご飯を食べている最中に、寝てしまった。