日本選手権 コンディション続かず | 見えない翼

見えない翼

私達は誰もが夢に向って翔る“見えない翼”を持っています。しかし、多くの人々が夢を追う事を諦め、翔る事をいつしか忘れて・・・。
そんな世の中にあって、パラグライダーの世界一へ挑戦し続ける父と重度の障害を持ちながらも懸命に生きようとする息子の奮闘日記です。

<3日目> 晴れ のち くもり
今日は天気が良いが、下層の空気の気温減率が悪い。
つまり、山間部でのみ上昇気流が活発になるパターンだ。


競技は、前半の内、山間部を周回し、
後半は平野部を北に北上するコースが設定された。


ダミーはグングン高度を上げている。
競技は直ぐに開始された。
選手は何故か最初に出る事をためらっている。
62番の川地はすかさず、出ると手を上げてゲート内に入り、
最初の内にテイクオフ(離陸)することができた。


空中で待つ事1時間。殆どの選手がテイクオフを終えた。
川地はその間、コース上の空域の状況を探っていた。
その時点ではコンディションはとても良好で、
今日はハイスピードレースが想像できた。


しかし、実際にはスタート時間20分前から、
徐々にコンディションが渋くなり、スタート直前には
空中で待機していた80機は右往左往し始めた。



川地は、
スタートパイロンの直ぐ側にサーマル(上昇気流)を発見し、
ベストポジションでスタートする事に成功した。

レースは、コンディションの悪化と共に、
サバイバルレースの様相をていし、
高層雲の張り出しで、一気に終焉を迎えた。


ショップ上空で最後のサーマルを捕らえた
一部の上位陣が距離伸ばしのアタックをして順位を決した。
(川地は捕らえられず、無念のランディング)


せめてあと30分長く晴れが続いたならば、
大勢のパイロットがエリアの外へ出て、
XCに行く事ができただろう。