日本選手権 天に上がる階段 | 見えない翼

見えない翼

私達は誰もが夢に向って翔る“見えない翼”を持っています。しかし、多くの人々が夢を追う事を諦め、翔る事をいつしか忘れて・・・。
そんな世の中にあって、パラグライダーの世界一へ挑戦し続ける父と重度の障害を持ちながらも懸命に生きようとする息子の奮闘日記です。

<2日目> 晴れ
土曜日の天気予報は、ズバリ晴れ!
当然、期待は膨らむが、風が良くない。
北風で、フォローの風だ。


大会本部は、
日中にかけて風速が落ちるという情報を入手しているというが、
どうも、そんな感じはしない。
いやむしろ、悪くなっているようだ。



ただ、実際には飛ぼうとして飛べなくはない。
今日は飛びたい気分が溢れている。
やっとエンジンがかかってきたか!?


ダミーは降りてしまったが、
何故か今日は天に上がる階段が見える。
調子が良い証拠だ。



競技は一応開始された。
川地の順番はくじ引きで62番と決まっている。(最後の方だ)
皆がその気になってからでは、良いタイミングで出れない。
今なら、皆、様子見で尻込みして、誰も出ますと手を上げない。


ここで、手を上げれば一番に出れるのは、当然のこと。
勝機を見出すとはこういうことだ。



かくして最初にテイクオフ(離陸)したが、やはり風は怪しい。
それでも、階段は見えていたのでその通りに上げていった。
私に続いて加藤選手が飛び立った。何とも力強い相棒だった。


二人で協力し合いトップアウトに成功し、北側斜面に出た。
そこで、30分程フライトしてランディング(着陸)した。
加藤選手は、かつて日本チームとして一緒に戦った選手であり、
久しぶりに楽しいフライトができた。



夕食は餃子を食べに出かけた。
宇都宮IC入り口にある『餃子会館』というところだったが、
十数種類の餃子が楽しめ、美味しかった。
参加選手の1/4ぐらいが塾生なので、
何時の間にか大所帯になり、会話も弾む。



夜は、もう一方の公民館に移って宿泊することにした。
こちらは、新築でとてもきれい、トイレ,キッチンも完備し、
人数も多く、密閉性も良いので室温も高くて暖房器具も要らない。


これなら、快適に眠る事ができそうだ。
選手は宴会したり,マージャンをしたり,読書をしたり、
各々が思い思いの時間を過ごしていたが、
次の日が早いので22時頃には、殆どの人が就寝した。
川地も朝まで爆睡できた。