<オーストラリア 4日目>
夜中にトイレに行った時、窓の外に星空が見えた。
よ~し、今日は100km飛ぶぞ!!
と心の中で呟いて、もう一度布団の中に入った。
しかし、朝になっても窓からは、眩い陽射しは入ってこない?
不思議に思いながらトイレに入って、窓のある方に目をやると、
昨日の朝と全く景色が広がっていて、唖然とした。
誰かが、いたずらで同じ絵画を窓の枠にはめたかのようだった。
青空はこれぽっちも無く、低く垂れ込めた雲だけが、
地平線と並行するように彼方まで広がっていた。
どうなっているんだ!?前線は抜けたはず?
気象情報を手に入れるために、急いで喫茶店へ走った。
一旦強まって東に張り出した高気圧が、
何故か再び萎んでしまった為、前線が後退したらしい?
なんじゃそれは!! 日本じゃありえねぇ~!!
双六でいう、振り出しに戻るか!!
それとも、二歩進んで一歩下がるか?
いずれにせよ、前日のミーティングで今日は午後から飛ぶことにして、
午前中は、食事&お土産の買い物と決めていたので、
皆さん悔しがる事も慌てる事も無く、冷静に行動していた。
というか、諦めモードに入っていた。
「こればかりは仕方がない。」 (T▽T;)
天気予報では、明日から良いらしい?
ならば、お土産を買ったり出来るのは、今日だけ。
ワーウィックという近くの町へ、朝食も兼ねて出かける事にした。
ショッピングするには充分な時間があった。
昨日同様、お昼頃になると西の方角に
灰色のカーテン(低気圧前線)がお飾りの雲を連れて現れた。
逃げるようにキラニーへ帰り、レストランで軽い昼食を取った。
海沿い(ゴールドコースト)の天気が良ければ、
ビーチに繰り出したい所だが、電話で確認した所によると、
いつ雨が降ってもおかしくないような状況らしい。
今通過中の前線が数時間後に到達するのは、明らか!
したがって、海にも行けない。
ナイスでビキニなお姉様にお会いするのは、次回にお預けのようだ。
そもそも、海沿いで飛ぶというオプションは、
キラニーが強風で危険というような時を想定しており、
オーストラリアの東部全体が悪天候というのは、想定外なのだ。
海沿いは雨季で雨が多いのは当然としても、
内陸に200kmも入れば乾燥していて、
XC天国というのがオーストラリアの定番なのだ。
オーストラリアの東部内陸は、
エルニーニョの年は、雨が多い。
ラニーニョの年は、乾燥する。
と言うのがパターンだった。
しかし、最近の研究報告によると、
インド洋にも海水温の変化が起こっており、
昨年からそれが継続しているようだ。
昨年、バングラディッシュに大型ハリケーンが上陸し、
大きな被害をもたらしたニュースをご存知だと思う。
あれも、海水温が関係しているらしい。
夕方にはすっかり雨も上がったので、
明日に備えて、北風用テイクオフ(離陸)場に上がった。
視界はすこぶる良好で、西の空には美しい夕焼けが広がっていた。
赤と深い青が見事なグラデーションで心を癒してくれた。
明日こそ、フライトが可能だろう!!
2008/02/06 赤と藍色の夕焼け