オーストラリアツアー 3日目 | 見えない翼

見えない翼

私達は誰もが夢に向って翔る“見えない翼”を持っています。しかし、多くの人々が夢を追う事を諦め、翔る事をいつしか忘れて・・・。
そんな世の中にあって、パラグライダーの世界一へ挑戦し続ける父と重度の障害を持ちながらも懸命に生きようとする息子の奮闘日記です。

<オーストラリア 3日目>
天気予報では、昨日と今日が最も天気が悪いらしい。
昨日同様、朝まで激しく雨が降っていた。
エディーは後発隊を迎えに行くために、早朝から空港に出かけた。


川地はお客さんを連れて喫茶店へ行き、
朝食を食べて頂いている間に、
気象データをPCにダウンロードした。


“インターネット喫茶”というような
洒落たものではないが、喫茶店のオーナーが善意で
無線LANの電波を飛ばしてくれているのだ。



さて、今日の気象データは・・・、はっきり言って最悪。
何故かこのキラニー上空だけは、日が射す事が多いようだが、
これに騙されてはいけない。まやかしだ。
丁度、昼頃に真上を前線が通過する。


40km程先の西の方に目を凝らすと、
高度1000mから地面にまで伸びる灰色のカーテンが見える。
カーテンの上には、これ見よがしに南北に数十キロに渡って、
雲が一列に並んでいる。 正に、前線だ。



喫茶店でネットサーフに夢中になっていたら、
いつの間にか5kmの所まで迫ってきていた。
急いでモーテルに戻ると、丁度後発組が到着して、
荷物を降ろしているところだった。


ゴルフの練習に行っていたSくんを拾い、
昼食&買い物をするためにスーパーに向かった。
駐車場に車を停めて、建物に入ると同時に土砂降りになった。


この調子では、昨日飛んだ山は、
山道がぬかるんで登れなくなるだろう。
この雨が本日のフライト終了の鐘となった。


一応、明日から使うかもしれない
北向きのテイクオフのある山に登る事にした。
こちらはアスファルトの道なので、行く事が出来るのだ。


しかし、眼下の雲と時折覆いかぶさる霧によって、
視界が悪く、行っても余り意味は無かった。



夕食は、我々が初日に食べたレストランで、
後発組にオージービーフを堪能して頂いた。
先発隊はその量を知っていたので、各自適量を注文していた。


実は、上空にはまだまだ厚い雲が覆っていたが、
地平線とその雲の隙間から、夕日が沈むのを見る事が出来た。
それは、前線が通過した事を告げるものだ。
明日は待ちに待った突き刺すような日差しがやってきそうだ。
フライトにも期待が持てる。