海外遠征4日目 試練 | 見えない翼

見えない翼

私達は誰もが夢に向って翔る“見えない翼”を持っています。しかし、多くの人々が夢を追う事を諦め、翔る事をいつしか忘れて・・・。
そんな世の中にあって、パラグライダーの世界一へ挑戦し続ける父と重度の障害を持ちながらも懸命に生きようとする息子の奮闘日記です。

<ワールドカップ 2日目 100km成立> 晴れ

一週間晴れが続くことは確実。

今日は、 「 3000mまで上がるぞ! 」 と

天気予報士の声にも力が入るが、選手の目は冷ややかだ。

それでも、コンディションが良いには変わりがない。

そして、組まれたタスクは100km以上だった。


このエリアの特徴は、山あり平野ありのテクニカルステージだ。

しかし、近年のグライダーの進歩から、

直線飛行の比率が高くなった。


さて、川地はと言えば、様々なマイナス要因はあるが、

グライダーの調子が悪い。


渋いところで上がりがいまいち(最小沈下が悪い)。

アクセルを踏むと沈む(ペネトレーションが悪い)。

当然、アクセルを踏まないと遅れる。


勝機を見出すには、サーマルの早い見切りと、コース取り、

そして、コンディションの読みに基づいた戦略が必要だ。



実はこの状況は、

川地がワールドカップに出始めた頃に似ている。

当時は、一部の選ばれた選手が乗るプロト機ではなかったし、

川地自身の能力も当然劣っていた。


それでも、優勝は無理でも、

「 突け入る隙はあるはず 」 「 一泡吹かせてやる! 」

と息巻いていたのを思い出す。


応援して頂いている方には申し訳ないが、

今回の大会は、川地は優勝よりも、

次へステップアップするための 『 試練 』 と考えている。

“ 初心へ帰る ” それが最近の川地のテーマだ。


何事も、それまでの殻を破るには、

それ相応の負荷をかけなければならない。

ぬるま湯に浸かっていては、飛躍などあり得ない。



今日は、序盤は良いで出しで、

中盤遅れたのを、一旦盛り返したが、

その後ミスをして、途中で降りてしまった。

現状では、たった一回のミスが命取りになる。

厳しい状況だ。