100kmと0km | 見えない翼

見えない翼

私達は誰もが夢に向って翔る“見えない翼”を持っています。しかし、多くの人々が夢を追う事を諦め、翔る事をいつしか忘れて・・・。
そんな世の中にあって、パラグライダーの世界一へ挑戦し続ける父と重度の障害を持ちながらも懸命に生きようとする息子の奮闘日記です。

<ワールドカップ 5日目 100km成立>

今日はまずまずのコンディションだ。

風向きも悪くない。ダミーも調子良く上がっている。


しかし、大きな落とし穴が待ち受けていた。

いよいよ競技開始という間際になって、西風に変わり、

Window Open が延長された。


そして、唯一離陸できる南側テイクオフ場には長蛇の列が出来た。

川地は初日の成績が悪かったので、順番は最後のほうだ。

時々、騙しのブローが入ってくる東側でスタンバイして出る作戦にした。


目論見は正解だったが、出ようとした時ラインが絡んでいて中止した。

実はこれが明暗を分けた。この時出て行けたクリス・ミューラーは、

その後も飛び続けることが出来た。


川地は広げ直している内にフォローが強くなり、

二度と東側から風が入る事はなかった。


そして仕方なく順番通りに並んでテイクオフすると、

上げ直せるようなサーマルに出会うこと無く、ランディングに直行した。

ランディングでは、

「 お前は何回旋回した? 」

「 2回だ! 」

「 俺は3回だ! 」

と言った様なスクール生のような会話しか出来なかった。



今日は出た時間帯で天国と地獄のような差が出た一日だった。

せめて、リフライトが可能だったら、

2時間後にコンディションが好転した時に

リフライトをしてゴールを目指せたかもしれない。