翔の進歩31 トンカチ | 見えない翼

見えない翼

私達は誰もが夢に向って翔る“見えない翼”を持っています。しかし、多くの人々が夢を追う事を諦め、翔る事をいつしか忘れて・・・。
そんな世の中にあって、パラグライダーの世界一へ挑戦し続ける父と重度の障害を持ちながらも懸命に生きようとする息子の奮闘日記です。

<自宅> 雨

今日は一日中雨である。

ママはお仕事なので、翔と二人っきりだ。

外は、散歩にも行けないような土砂降りの雨と強風である。


遠征やツアーの後帰国すると、

健康的に元気で変わりの無い翔にホッとする反面、

進歩していない翔にがっかりもする。


しかし、今回は少し違った。

何となくではあるが、知的に成長している感じがするのである。

パパが留守中に、ママが新たなコロコロを買っていた。

その名も 『 トントンくるりん 』 という。


トントンくるりんLB
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コロコロの木と違うところは、一番上に穴が四箇所空いているが、

簡単にはボールが入らないようになっていて、トンカチで叩くか、

手で押し込む必要があることだ。

中に入ったボールはらせん状に落ちて行き、

一番下で振り子の様に揺らぎながら、

最終的に中央に空いた穴から最下部に落ちて脇から出てくる。


一番下で落ちそうで落ちない、

ゆらゆらしている瞬間がたまらなく面白い様で、

コットンと落ちると大喜びをする。


驚いたのは、

トンカチを使ってやり方の見本を見せると、真似しようとしたことだ。

これまで、翔は決して道具を使う事が無かった。

太鼓やトライアングルなどの打楽器には全く興味を示さない。

ピアノやハープ、ギターなど、指先を使うものは大好きである。

その翔がトンカチを持とうするし、叩こうとしたのだ。


叩くことに腕を使った事が無いので、上手く振り下ろせないが、

翔は一生懸命頑張って叩いていた。

肘に力が入って、突っ張ってしまっていたので、

軽く曲げさせると、上手く振り下ろせた。

ボールに当たって、転がると大喜びしていた。


興味を引く玩具である事、遊びが楽しいこと、

『 好きこそ物の上手なれ 』 翔は正にそれを地で行っている。

もっと遊んで、もっと上手くなれ!