<自宅>
薬も飲み終わり、発疹も増えず、全ての水疱が瘡蓋になったので、
掛かりつけのクリニックに連れて行った。
先生は、サーッとチェックをして、「もう大丈夫です!!」 と答えた。
軟禁の解除が言い渡された。
明日から保育園へ行くために、
『治癒証明書』 をもらわなければならない。
少し時間が掛かるので、ママとよく遊びに行く
運動公園の体育館へ行った。
体育館はホール部分だけでも相当広いので、
行きたい放題で、存分に歩行訓練が出来る。
翔の歩行器は、
古い映画の火星人乗ってくるUFOのような形をしていて、
移動方向や体の向きが自由自在に変えられるのが売りである。
しかし、それが時として仇となっている。
ある程度捕まり立ちできる子が使う分には良いのだが、
翔のように立つ事が全く出来ない子は、歩く方向が定まらないので、
酔っぱらいがフラフラしながら歩くような 『千鳥足』 になってしまう。
つまり、歩行器の車輪の内、最低でも二つが固定されていて、
方向を維持する必要があるのだ。
何か良い方法は無いか祖父母と相談している時に、
偶然にも解決方法が見つかった。
オオォォ━ヽ(*゚Д゚)ノ━ォォオオ
しかも、全く改造する必要が無く、簡単だったのだ。
ある程度方向が制約されるが、適度に車輪の向きが変わって、
方向が変わる、正に画期的な発見だった。
なぜ、もっと早く気付かなかったのかと思ったほどである。
実は、これと同じ原理を自作による
翔の 『 ハイハイ訓練器具 』 で取り入れて製作していたからだ。
簡単に説明すると、歩行器全体を少しだけ前傾させ、
車輪を垂直に支える軸へ、ほんの少し角度を与えたのだ。
前傾させたUFO
実は手法は違うが、同じような原理で、
自動車、更にはパラグライダーにも直進安定性が
生まれるように取り入れられている理論である。
理論説明は、長くなるので割愛します。
理系の人なら何を言っているのか分かると思います。
詳細を知りたい方は、塾でお会いした時にでも質問してください。