<海外遠征> 所により
落とし穴?
今日も快晴だ。コバリドの街に霧も出ていない。
2006/09/02練習日にコバリド上空から撮影
???
でも、何だか雲底が低い?
テイクオフ(離陸)場に上がると更に良く分かった。
何故かコバリドの周辺だけ雲底が一段(400m)低いのである。
タスクも70kmの小振りのルートが設定された。
難関は隣のトルミンエリアの川の橋とアンテナで有る。
レースが始まると大勢の選手が低い雲底に苦しむ事になる。
川地も隣のエリアに行く途中で低くなり、
大スタック(上げな直せず立ち往生)をしてしまう。
しかし、そこから川地の猛追劇が始まった。
難関と思われた橋とアンテナは簡単に通過し、
低くなった集団を次々と抜いていった。
殆ど最後尾だった所から、ついにはセカンド集団に追いついた。
あと少しで先頭集団を射程距離に捕らえられると
思われた時に大きな落とし穴が待っていた。
比較的簡単と思われたパイロンを取った後、
先頭集団は岸壁に戻ると簡単に上昇して行ったのに対し、
セカンド集団は強烈なシンク(下降気流)に捕まり、
谷底に消えて行って、ほぼ全滅してしまった。
ある者はラフティングをしている川に降りて流され、
ある者は岸壁にツリーランをしてレスキューを呼ぶ羽目になった。
トップとセカンド集団のタイム差は10分も無かったと思う。
川地は高かったので辛うじて難所を回りこんだが、
その後も上昇風は全く吹いておらず、
あえなくランディング(着陸)してしまった。
皮肉にもサード集団は高度を全く落とさずに
楽勝でリターンして帰って行った。
時の運命とは皮肉な物である。
二日続けて痛恨のノー・ゴールである。
レース結果は良くなかったが、一つ大きな成果を上げる事が出来た。
上手く行っていなかったアクセルシステムに
解決策を施した所、上手く行ったのである。
しかもかなり調子が良い。
まだ何本か飛んで、
ベストのセッティングを見つける必要が有るが、
他のワールドカップクラスのグライダーを
ガンガン抜いていけるのが楽しい。
勿論、荒れた所や潰れた時の挙動の
詳細なチェックは出来ていない。
しかし、それはトルステンがドイツに持ち帰った後にするだろう。
一つ勘違いして頂いては困るのは、
100km/hも出るわけではない。
今は何処のグライダーも最大スピードは、ほぼ同じ位である。
ただ、L/Dを維持したまま、どれ位、軽く、簡単に、安定して、
安全に出せるかを各社競っているのである。
川地も良い経験を積ませてもらったと思っている。
明日、もう一度微調整して、チャレンジしようと思う。