<海外遠征> 所により
踏みっぱなし!
朝から快晴だ。窓から青空が見える。
しかし、コバリドの街は雲に埋もれている。
泊まっているホテルは丘の上に有るので、
ベランダに出るまで気が付かなかった。
しかし、これだけ晴れていれば直ぐになくなるだろう。
今度こそ三日間良い天気が続くようだ。
本部に集まった選手達の笑顔が絶えない。
なぜなら、今年のワールドカップのヨーロッパステージは
雨に風にたたられて、殆ど飛べなかったからだ。
今日はその選手たちの鬱憤を晴らすために、
105kmのタスクが設定された。
山岳ステージでは普通なら3時間はかかるが、
このエリアの場合は2時間半を切ってくるだろう。
多分、今日もアクセル踏み合戦だと思われる。
予想通り前半の往復70kmは、
アクセルしか踏んでいなかった。
お陰で足がパンパンだ
おまけに調整がまだ完了していなかったので、
フルアクセルが使えない事が判明した。
最後の往復30kmはコース取りで明暗が分かれた。
「王道のコース」
パイロンを取った後に対岸に渡り上げ直して帰ってくる
「一発逆転コース」がある。
山のリーサイドに入り、小山で上げ直す
ただし、成功率は20%らしい。
調子の良い扇沢選手は後者のコースをチョイスした。
これにより一気に先頭集団を抜いてトップにたった。
川地も扇沢選手を2km遅れで追っていたが、
川地の集団が到達した時にゲートが閉まってしまった。
このグループは全滅である。
本日の最大の難関は、この後のアンテナであったが、
扇沢選手はそのまま後続を振り切りトップゴールを果たした。
川地はこの後散々粘ったが、上げ直しが出来ず、
アンテナまで到達できなかった。
2日目なので王道を手堅く攻めた方が良かったか?
全ての判断が後手後手に回ってしまう。
調子が今一つの時は上手くいかないものである。