PWC in Slovenije Vol.06 TASK2 成立 | 見えない翼

見えない翼

私達は誰もが夢に向って翔る“見えない翼”を持っています。しかし、多くの人々が夢を追う事を諦め、翔る事をいつしか忘れて・・・。
そんな世の中にあって、パラグライダーの世界一へ挑戦し続ける父と重度の障害を持ちながらも懸命に生きようとする息子の奮闘日記です。

<海外遠征> 晴れ所によりくもり  踏みっぱなし!

朝から快晴だ。窓から青空が見える。
しかし、コバリドの街は雲に埋もれている。
泊まっているホテルは丘の上に有るので、
ベランダに出るまで気が付かなかった。


しかし、これだけ晴れていれば直ぐになくなるだろう。
今度こそ三日間良い天気が続くようだ。
本部に集まった選手達の笑顔が絶えない。
なぜなら、今年のワールドカップのヨーロッパステージは
雨に風にたたられて、殆ど飛べなかったからだ。


今日はその選手たちの鬱憤を晴らすために、
105kmのタスクが設定された。
山岳ステージでは普通なら3時間はかかるが、
このエリアの場合は2時間半を切ってくるだろう。
多分、今日もアクセル踏み合戦だと思われる。


予想通り前半の往復70kmは、
アクセルしか踏んでいなかった。
お陰で足がパンパンだ
おまけに調整がまだ完了していなかったので、
フルアクセルが使えない事が判明した。


最後の往復30kmはコース取りで明暗が分かれた。

「王道のコース」
パイロンを取った後に対岸に渡り上げ直して帰ってくる


「一発逆転コース」がある。
山のリーサイドに入り、小山で上げ直す

ただし、成功率は20%らしい。


調子の良い扇沢選手は後者のコースをチョイスした。
これにより一気に先頭集団を抜いてトップにたった。
川地も扇沢選手を2km遅れで追っていたが、
川地の集団が到達した時にゲートが閉まってしまった。

このグループは全滅である。


本日の最大の難関は、この後のアンテナであったが、
扇沢選手はそのまま後続を振り切りトップゴールを果たした。
川地はこの後散々粘ったが、上げ直しが出来ず、

アンテナまで到達できなかった。


2日目なので王道を手堅く攻めた方が良かったか?
全ての判断が後手後手に回ってしまう。

調子が今一つの時は上手くいかないものである。