PWC in Slovenije Vol.05 競技中止 | 見えない翼

見えない翼

私達は誰もが夢に向って翔る“見えない翼”を持っています。しかし、多くの人々が夢を追う事を諦め、翔る事をいつしか忘れて・・・。
そんな世の中にあって、パラグライダーの世界一へ挑戦し続ける父と重度の障害を持ちながらも懸命に生きようとする息子の奮闘日記です。

<海外遠征> くもり  英会話

視力が良くなったお陰で、
いつも目が覚めると、ベッドの中から窓の外が見える。
でも、今日は何も見えない? (T_T)

「そんなバカな?」と思ったら、
空が低い雲で埋め尽くされ、
朝陽も青空も一切合切シャットアウトしていたからだった。


晴天で最高気温は26℃以上という天気予報は見事にはずれ、
肌寒く今にも雨が降りそうだ。
天気図も昨日の予想とはかけ離れた模様になっている。


オーガナイザーは好転する事を期待して、
11時にテイクオフ(離陸場)に上がる事を決定した。
昨日のような事があるので、選手は誰も文句を言わず車に乗り込んだ。


1台に付き8人の選手が乗り込めるので、
120人を送迎するには最低でも15台のバンが用意されていて、
スタッフカーを入れると17台位だろうか?
このパラグライダーの一大キャラバン隊が
山を上っていく姿は壮観である。


テイクオフ(離陸)場までは1時間30分の道のりである。

ここ数日間はランディング(着陸)場より温かかった
テイクオフ(離陸)場は、珍しく涼しかった。

いや霧に包まれ、日射が遮られ、常に風が吹いていたので
寒かったと言った方が正解だろう。
勿論、ウェイティング(待機)である。


一時間もすれば、日本人同士の話もネタが尽きてくるし、
昼食も食べ終えてしまうと、暇潰しに苦心するのが常で有るが、
今回は少し違っていた。


ひょんな切欠からスタッフをしているチェコの女の子達から
自分の名前をカタカナで書いて欲しいということになり、
日本に関する質問攻めに有ったのだ。


「なぜ、ひらがな、カタカナ、漢字が存在するのか?」
「“PA”を発音する時は、何故“パ”の一文字なのか?」
これらを全て英語で回答するのは一苦労だ。
自分のvocabulary(全単語,用語)の無さを痛感する。


暇をもてあましている他のパイロットからも質問が入る。
日本好きのニコライ(ロシア)も会話に参加してきた。
「“I love your eyes”を日本語で言うと何と言うんだ?」
「日本人の友達に教えてもらったんだけど忘れたんだ」

口説き文句を教わったようだけど、
そんな事、普通言わないよ日本人は・・・。 (ーー;)


直訳して日本語で言ったら、何か違うと言った。
「もっと、短くて美しいセンテンス(文章)で・・・。」

何か意訳を教わったに違いない。

何だろう・・・? (~_~;)
「素敵な目だね!」
「君に惚れた!」等など、
どれもどうも違うらしい。


そんなたわい無い話をしている内に時が過ぎて、もう3時である。
その間、一度たりとも太陽は愚か、霧が無くなる事さえなかった。

この時間でこの状態では、
この後フリーフライトはできたとしても競技は不可能だ。
今日の競技はキャンセルされた。


一部のパイロットは、200m下った雲の下から飛んだ。

ずっと英語を話していたので、頭が疲れた一日だった。
駅前NOVAの5日分ぐらいかな? (^^ゞ