<海外遠征> グライダーの調整
今日も天気は良い。
逆転層が強くてサーマルが出始めるのは
午後になってからになりそうだ。
大会本部でPCをしていると
その他の日本人選手も集まってきた。
久しぶりの再会である。
10時になってテイクオフ(離陸)場への送迎が始まった。
トルステンと一緒のバンで上がり、
直ぐにグライダーの仕上がり状況の説明を受けた。
逆転層が強くサーマルが出るにはまだまだ時間が掛かりそうだ。
現在試しているライザーのシステムを
プロトタイプにも適応してテストし、
実践投入してデータを得たいようだ。
面白くなってきたぞ!!
ライザーに手を加えて新しいシステムと同じ動きになるように
試行錯誤を繰り返す。
“プロトタイプ”とはそういう物だ。
完成された既製品とは違い、いつも変更を伴う。
ある時は“切り”,“結び”,“縫い”,
そしてまた“切る”
アイディアが浮かんだ時、
直ぐにそれを具現化して試して、見る。
因みに、川地の使用するプロトはUPのホームページで
マヌーバをするシーンに登場するらしい。
トルステンが
「お前が先に飛ぶか?それとも私が飛んだ後にする?」
と聞いてきた。勿論、後で飛ぶと即答した。
10分位で戻ってきた。何だかパッとしない曇った表情だ。
アクセル半分までは意図した通りの動きだったが、
それ以上踏むと違うらしい。
だが、それは想定内の事でこれからトリミング(調整)を
行なえば、解消されるだろうとのことだ。
幸いにもこのエリアのテイクオフ場は
トップラン(離陸した場所に再び降りる事)ができるし、
調整方法は川地も分かるので、後は私がやることになった。
少し調整を施して、いざ空へ!
あれ?アクセルの紐が短すぎた!
少し引かれてる!!
直ぐにトップランしなければ!!!
でも、テストせずに降りてしまうのはもったいないので、
何とか雲底につけてアクセルを踏んでみた。
ふ~ん、なるほど・・・、確かに言う通りだ。
でも、これは微調整でどうにかなる物と違うような気がする。
その後、再度調整してフライトしたが、
その現象は無くなる事はなかった。
どうやら、根本的に何かが違うようだ。
川地なりにフライトしながらいろいろと試して、
ライザーのアクセルシステムを良く観察した。
そして、一つの回答を導き出した。
多分、その方法でこの現象は解決するだろう。
ただし、ライザーシステムが本来狙っている事から
外れてしまうかもしれない。
そして、実際に試してみた。
現象は解決された!
ただし、こういう事をして良いかどうかは
トルステンに聞いてみなければ分からない。
それ以外にも、突貫工事で作ったので、
摩擦が多くてアクセルが非常に重い。
同時進行で川地なりに“アクセルを軽くする方法”を
試みたが、別の問題が発生するので、
更に検討が必要なことが分かった。
気が付くと、日差しは西に大きく傾き、
エリアはアーベント・モードになっていた。
エリアを探索するフライト・トレーニングはもう出来ない。
しかし、グライダーには慣れる事が出来た。
以前にここへ来た事が有るのは大きな強みになり、
余裕を持って調整する事ができた。
さあ、明日はいよいよ本番だ!
準備は万端とはいかないが、
いつもの事さ何とかなるさ! (^_^)v