近視矯正手術 直後 | 見えない翼

見えない翼

私達は誰もが夢に向って翔る“見えない翼”を持っています。しかし、多くの人々が夢を追う事を諦め、翔る事をいつしか忘れて・・・。
そんな世の中にあって、パラグライダーの世界一へ挑戦し続ける父と重度の障害を持ちながらも懸命に生きようとする息子の奮闘日記です。

<帰宅>

手術が終わって、安堵したのも束の間、

私達夫婦に思わぬ事態が発生した。


麻酔が切れ始めると、目がとても沁みるのである。

シャンプーがもろに目に入った時のように、

涙が止め処無く溢れ、目を開ける事などできない。

勿論、目を擦るのは厳禁だ。

目は絶対に触っては駄目と言われていて、

防護用のメガネを渡されたぐらいだ。


待合室でソファーを移動するにも、

まるで盲目の患者が二名紛れ込んだように

お互いに手を取り合うようにして、

すり足で移動するしかない。 ヽ(;´`)八(´`;)ノ


我々の前後に手術を終えて出てきた方は、

付き添いの人と会話をして、何事も無かったように帰って行った。

もしかして、「夫婦そろって、失敗したのでは?」 (→o←)ゞ(><;)


受付のお姉さんに

「こんなものなのか?」「何時頃止むのか?」訪ねてみると、


「人によって差が有りますので・・・」 

「お薬と目薬を点して安静になさってください」

と、いつもの可愛い笑顔で応対しているのが、

目蓋の隙間から見えた。


車を運転して帰るなんていうのは愚か、

電車で帰るのさえ不可能な状態だ。

ワイフの実家に、翔を病院に送り届けるだけでなく、

我々の自宅まで送ってもらうようにお願いする事にした。


二人とも、直ぐに鎮痛剤を飲み、

もらった目薬をしたが、全然効果は感じられなかった。

夕食をしている間も目が沁みて、食欲は半減した。


家に到着する頃、ようやく痛みが和らぎ、

目を開くことができるようになった。

そこには、何時もと変わらない“翔の笑顔”が有った。

( °д°) o(^▽^)o