近視矯正手術 | 見えない翼

見えない翼

私達は誰もが夢に向って翔る“見えない翼”を持っています。しかし、多くの人々が夢を追う事を諦め、翔る事をいつしか忘れて・・・。
そんな世の中にあって、パラグライダーの世界一へ挑戦し続ける父と重度の障害を持ちながらも懸命に生きようとする息子の奮闘日記です。

<病院>

近視矯正手術の日だ。

一週間前から抗菌作用・感染予防の目薬をしてきた。

前日の疲れも無く、健康様態は良好と言える。


とは言え、川地の人生では始めての大きな手術となるので、

「緊張しない、不安は無い」と言えば嘘になる。

神様で無い限り、どんなことにも100%は有り得ないからだ。

ワイフも少し緊張している様子だ。 (°Д°;) (°Д°;)


翔は、ワイフの実家に預けて手術後に送り届けてもらい

一緒に自宅に帰る事になっている。


病院は、

神奈川クリニック眼科・CR-LASIKセンター

という所で、新宿に有る。


整形外科系のこの病院は、従来の病院とは雰囲気が随分違う。

検査にしろ手術にしろ移動をする時には、

患者(=お客)にスタッフが必ず一人付く。

施設の設備、待合室の雰囲気からスタッフの接客まで、

サービスという理念が行き届いているのが感じ取れる。


美容外科とか整形外科は皆こんな感じなのだろうか?



一ヶ月ほど前に精密検査を済ませてあるので、

今日は、手術前の簡単な検査だけをした。

いよいよ手術が開始される。


別の階に行くのかと思いきや、

普段は行かない自動ドアの向こう側に

広大な手術エリアが存在した。


靴を脱いでスリッパに履き替え、

帽子と白衣を着せられ、

麻酔目薬を目に点してベンチに座って待った。

ベンチには手術を待つ人が、3名程座っていた。

誰もお喋り等せずに静かに自分の名前を呼ばれるのを待っている。


とても静かな部屋なので、隣の人の息遣いまで聞こえてくる。

ドアのむこうから時々手術用と思われる機械の音が聞こえてくる。

だいたい10分間隔で前のドアから看護婦さんが患者を呼びに来る。

そして、10分間隔で後ろのドアからスタッフが新たな患者さんを連れて来る。

ワイフは二人後に入室して来た。


ついに川地の名前が呼ばれた。

麻酔が効いていても前は見る事ができるので、

手術台まで歩いていけるが、看護婦さんが先導してくれた。


先生は勿論、周りのスタッフの身のこなしは、

迅速で一瞬の無駄も無かった。

1分も掛からず準備が完了して、

先生の合図と共にオペはスタートした。


一瞬しか見えなかったが、

金魚すくいの様な形をしたもっと頑丈そうで

眼球(直径3cm)ぐらいの大きさの輪金具が

右の眼球の黒目の辺りにセットされた。

麻酔が効いているので痛くは無い。


実はこの時点で、まだよく見えている。

次に右目に向けて掃除機のホースの様な物が近づいて来た。

先程の輪金具にドッキングさせるようだ。

接合と同時に何も見えなくなった。

同時にポンプの様な音が聞こえ始めた。


先生は、「始めますよ~」と声を掛けてくれた。

15秒ぐらいして「半分が終了しました。順調に行っていますよ。」

と声を掛けてくれた。


はっきり言って、全く痛くない? ( ̄Д ̄;;

目に光線の様なものが当たっているような気がするが、

何も見えないから、錯覚なのかもしれない。 (-。-;)


30秒程で終了し、右側にはガーゼが被せられ、

直ぐに左目の準備をし終えて、手術に取り掛かった。

そして、30秒後には、左側にもガーゼが乗せられていた。

「フラップの作製は上手くいきましたよ!」先生にそう言われた。


この時点で全く見えなくなっていた。

まるで磨ガラスの向こう側を見ているようだ。

看護婦さんの介助無しでは、歩く事は到底できない。

導かれて、先程とは違う廊下のソファーに座らされた。

私の前に入って行った患者さん達が

先に前半の手術を終えて、ソファーに座っていた。


どうやら、手術の前半が終わったようだ。

今度はいよいよ近視の矯正に入る。

この手術は隣の部屋の別の装置で行うようだ。


ここで以外に長く待たされた。

麻酔が切れてきたのか、目が沁みるようになってきた。

看護婦さんが追加の麻酔の目薬を点しにやってきたが、

和らいだのは一時的だった。


やっと、川地の番が来た頃には相当辛い状態になっていた。

シャンプーが目に入った時の事を想像して頂くと近い感覚だと思う。


手術台に横たわり、左目を隠されると、直ぐに手術が始まった。

今度は、映画「未知との遭遇」も出てくる

光り輝くUFOの底の様な物が、目に近づいて来た。


しっかりと目が固定されて、先程製作したフラップが捲られると

クリアーに物が見えるようになった。

レーザー照射が直ぐに始まったが、

今度はその間ずっと見えていた。

同じように数十秒で照射は終わり、もう片方も同様に照射した。


その間も、先生は「上手く行っていますよ。後20秒ほどです。」

と声を掛けてくれたので、安心できた。


でも、看護婦さんに

「言ったとおりにできないのなら交代するか?」

と叱っていたので、不安にもなった。 !(´Д`;)


とにかく無事に終了し、

その場で目の検診を行い、問題ない事を確認してくれた。

先生は「お疲れ様でした」と声を掛けて、

次の患者さんのオペに向かった。


ワイフも一人挟んで次に無事に終えて出てきた。 ヽ(*^o^)八(^-^*)ノ