<保育園>
今日から新学期が始まる。
クラスも同年代の子供たちが居るクラスがメインとなり、
昨年まで居たゼロ歳児クラスは、疲れた時などの休憩用ということになった。
つい先日までは、お部屋に入ると大好きな音楽が緩やかに流れ、
動きがスローな年下のゼロ歳児達がにこやかに迎えてくれたのだった。
ところが、朝、登園してお部屋に行くと、とても賑やかだった。
人数もこれまでの3倍居るし、声も大きく、部屋中を走り回っている。
きっとビデオを3倍速で再生している時のように、見えたに違いない。
翔は、そのパワフルな雰囲気に圧倒されて、呆然としていた。
誰が担当の先生なのか教えてもらい挨拶した。
新しいクラスのお部屋は間仕切りがまだ完了しておらず、
先生方が手分けして、引き出しや机などを運搬していた。
とにかく、てんてこ舞いと言った感じだ。
午前中にゼロ歳児クラスの説明&懇親会があったので出席した。
一歳に満たない我が子を預ける事に
不安を隠せないパパ、ママが揃って来ていた。
一年前は川地もこんな感じだったのだろう。
(翔の場合は事情が事情だけに心配事が多かったように思う)
それにしても、今年度は三人しか居ないようだ。
少なくてチョッと寂しい感じすらするので、
「実は昨年度はとても賑やかだったのだなあ」と改めて分かった。
一年間一緒に過ごしたお友達と先生は、
そっくりそのまま隣のお部屋に移動していた。
きっと、翔が休憩するとすればこちらの部屋に
出入りする事が多くなるのではないかと思った。
夕方、迎えに行くと妙にハイテンションになった翔が居た。
車の中でも、家に帰っても、お風呂の中でも何やら喋っている。
きっと今日保育園で起きた事を伝えたかったに違いない。
どうやら、早くもクラス替えの効果が出始めたようだ。
疲れた翔が寝るのに一分も必要なかった。