四国、鹿児島、沖縄、台北上空を通過し、高度11,500m、所要時間4時間半とアナウンスがある。おしぼりサービスもなく、飲み物のサービスがいきなりはじまる。
まずオレンジジュースをもらう。
香港への入国手続きの書類のことから、隣の席の青年と話が始まる。中国から中央アジアを経て、ヨーロッパへの一人旅だという。
さらにその隣の学生風の青年は、香港で格安チケットを探し、ロンドンまで旅をするという。
機内食のサービスが始まる。エコノミーながらチョイスができ、チキンとビーフから後者を選んだ。ビールも一緒に受け取る。
ビーフストロガノフ風のメインディッシュをたいらげ、紅茶のサービスを待ってデザートのムースを食べた。
通りかかったスチュワーデスに機長の名前を尋ねると、「なんでそんなことを聞くのか」と逆に聞かれた。趣味で記録をしているということを、英語で理解させるのに一苦労だった。
短い映画のあと、再び飲み物のサービス。その頃には香港へと高度を下げ始めていた。アナウンスがあって、いよいよ着陸だ。深夜のためか海側からのアプローチである。
香港島の明かりが眼下に迫り、その明りが窓の高さに並ぶ頃、着陸の軽いショックを感じた。現地時間22:05、啓徳空港に着陸。
*「所要時間4時間半」:大体、香港まではこのくらいの所要時間(冬場で)。下に22:05到着とある。いまの双発機より当時のジャンボの方が速かったのである。
*一人旅の青年は、ノースウェストをよく使ったのであろうか。この少し前の86年5月に沢木耕太郎の「深夜特急」が発表されており、同じルートを辿る旅行者が増えていたのだろう。
*「啓徳空港」:香港の市内にあった旧空港。通称「香港カーブ」と呼ばれる街並みをかすめる着陸ルートはスリル満点と評判だった。
郊外にChek Lap Kok International Airportが1998年に新設され、啓徳は閉鎖となった。










