今日はいよいよ「ベルゲン・フロム鉄道」に乗る日だ。
7時、ホテルのレストランで朝食。
宿泊確認書には朝食が「scandinavian」と記されていた。ビュッフェスタイルだが、こちらでは「バイキング」と呼んでいないようだ。
他国のビュッフェ式朝食とさして違わないが、ニシンのマリネがとてもおいしかった。
徒歩でベルゲン駅に向かう。歩いて7~8分といったところ。
駅の切符売り場は、入り口のところで番号カードをとる。日本の銀行のようなシステムで、窓口に表示された番号の人がカウンターに行くしくみだ。
レイルパスの有効日付を入れてもらう。窓口のお姉さんはとてもフレンドリーだ。
駅構内の売店で昼食用のサンドイッチ、バナナ、お菓子、水を買う。このおばさんも明るく声をかけてくれる。
「フロム鉄道に乗りに行くの?。楽しい旅を。」という感じだ。
変な例えだが、日本のキオスクの人に「楽しい旅を」などと言われた記憶はないように思う。
ホームにローカル電車が入ってきた。ミュルダール行きだ。
電車は自由席で新幹線と同じ2-3席の並びだ。
8:40に発車、長いトンネルをいくつも抜け、フィヨルドのきれいな湾に沿って走る。
このままミュルダールまで乗りとおし、フロム鉄道に乗り換えようかと思ったが、手前のヴォスで降りることにした。
9:54にヴォスに到着、駅前広場からグドバンゲン行きのバスに乗る。
このバスの見所は、途中のスタルハイムの渓谷の急な坂道だ。
とにかくこの景色はすごいの一言に尽きる。乗ってみないと分からないので、ぜひ乗ってみて欲しい。
約1時間でグドバンゲンに着き、フィヨルド観光のフェリーに乗り換える。
フェリーは快適だが、デッキは寒くて大変だ。
フリース、セーターを着て、パーカーをはおった人しかデッキには見当たらない。
我々は2階客室のラウンジでフロムまでの2時間を過ごした。
アメリカ人の女性2人の観光客と相席になり、いろいろ話をする。ボストンから来たという。
「シーガルを日本語で何というか?」と聞かれ「かもめ」と答えた。
しばらくして「シーガルは『カミモ』だっけ?」と言う。もう一度「カ・モ・メ」と教える。
後半の1時間はほとんどこの2人とおしゃべりしていたことで、景色のよさに加え、旅情が高まった。
フロムに着くと、フェリー乗り場のすぐ横が駅。
駅前には鉄道博物館があったので立ち寄る。売店でフロム鉄道のステッカーやマグネットなどを発見、即ゲットする。
14:50発の列車でいよいよフロム鉄道に乗る。
この鉄道についても、とにかくすごい景色としか書けない。
筆舌に尽くしがたいという言葉は、フロム鉄道のためにあるのではないかと思ったほどだ。
清流、雪を頂く山、いくつもの雄大な滝、あっという間の1時間だった。
そのなかでなんと言っても圧巻なのがショッスフォッセンの滝だ。列車は5分ほど停車する。
とにかく水流がすさまじい滝。本当に驚くばかりだ。
フロム鉄道の始発・終点となっているのがミュルダール。
ここでベルゲン行きの列車に乗り換える。やってきたのがはるばるオスロからやってきた急行列車。
電気機関車が客車を牽引している。長距離列車のせいか混んでおり、ようやく空席をみつけ座った。
車掌がやってきて、「ここは指定席でヴォスからは予約が入っているが、それまで座っててよい」という。
45分でヴォスに着く。これでフィヨルドツアーは元の場所に戻ったわけである。
ヴォスからベルゲンまで席がなく、立ちんぼは敵わないのでヴォスでいったん下車を決める。
たまたま今朝ベルゲン駅で入手したNSB(ノルウェー国鉄)の時刻表が役立った。
ヴォスで下車すると、1時間後にヴォス始発のローカル列車があることをこの時刻表で知ったのである。
ヴォス駅のレストランでハンバーガーにビール。とんでもなく高いが味を考えたらまあいいだろうという気持ちになる。
隣には若い女性2人組が座る。話をすると、彼女らはフランスのニースから遊びに来たという。
フランスの話などで思いもかけぬところで盛り上がってしまう。
ちなみにコミュニケーションは英語。彼女らも母国語ではないため、(我々と)ちょうどいいレベルにあると思った。
ヴォスから1時間この電車に揺られ、ベルゲンに戻る。
この鉄道-バス-フェリーの旅はみなフレンドリーでとても楽しかった。フィヨルドは雄大だったが、フロム鉄道の車窓のすごさがやはりもっとも印象に残った。



