コロナで自宅で静かに過ごす中、運動不足解消を兼ね、笠置にハイキングに行ってきました。
JR大和路線は、大阪から奈良の先、加茂までは8両編成の大和路快速がバンバン走る幹線ですが、加茂から先は、2両編成のディーゼルカーが1時間に1本、のんびる走るローカル線になります。
加茂まで乗ってきた快速電車(右側)から、左の青いディーゼルカーに乗り換えます。
加茂を出発すると、木津川の渓谷に沿って進みます。進行方向左側に木津川渓谷の風景が見えます。10分ほどで笠置に着きます。
さあ、ここから笠置山ハイキングが始まります。距離にして2キロほどです。
駅前の人家が途切れたところに、笠置山への入口があります。右の階段を登っても、左の道を行っても、笠置山に着きます。行きは、右の階段を登っていきましょう。
しばらく登ると、石像を祭る祠があります。庚申堂です。説明書きによると、青面金剛石仏で、道中安全を祈る道祖神だそうです。庚申堂の名前の由来は、この像の下に、見ざる聞かざる言わざるの猿が彫られているからです。
さて、森の中、急な石段をひたすら登ると、笠置山頂上の笠置寺山門に着きます。
笠置寺、真言宗智山派の寺院です。現在、コロナで拝観は停止されていますが、門は開けていただいており、境内の笠置山摩崖仏巡りをすることができます。
尚、笠置寺山門の向かいには、料理旅館勝本亭があり、開いていれば、笠置町名物の雉鍋な雉釜飯がいただけっるのですが、生憎休業中でした。
これが、笠置寺本尊の弥勒摩崖仏で、高さ15メートルの巨石に弥勒仏を刻んだもの。しかし、戦火などで、弥勒のお姿は消えてしまっています。
弥勒摩崖仏の向かいに、この正月堂があります。このお堂、京都清水寺や奈良東大寺二月堂のように、崖にへばりつくように建つ、懸造の建物です。
この笠置寺、東大寺を開いた良弁、実忠などがこの笠置山で修業をされた所縁があり、東大寺お水取りの起源はこの笠置寺にある、などという伝説があります。
この虚空蔵菩薩は、線がよく残っています。説明書きによると、彫刻の様式が、中国山西省大同の雲崗石窟の摩崖仏に通じるところがあり、奈良時代に中国からの渡来人が彫ったものではないかということです。
境内は巨石が多くあり、このような岩の間を、胎内めぐりと称して進みます。
麓の景色が見渡せます。下はJRの笠置駅と周辺の民家です。右に流れるのは木津川。
もみじ山。秋の紅葉シーズンは、さぞや紅葉が見事なことでしょう。
奈良から少し足を伸ばすと、このようなすばらしい自然や文化財に触れることができます。三密のリスクもありません。皆さんも、笠置寺、笠置山を訪れられてはいかがでしょうか。