「日本の大学は入るのが難しく、海外の大学は卒業するのが難しい」。大学進学の話で、一度は聞いたことがあるかもしれません。
でも、この一言だけでは、実際の違いは見えてきません。海外にもさまざまな制度があり、同じ国でも、大学や専攻によって入学・卒業の条件は異なります。
大学を選ぶときに見たいのは、「どこに入るか」と「入ってから何を学ぶか」の両方です。今回は、日本・米国・英国を例に、比較するポイントを整理してみます。
■ ① 入学制度は「何で評価されるか」を見る
日本には、一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜などがあります。「日本は筆記試験だけ」と考えると、実際の選択肢を見落としてしまいます。
米国では、大学によって高校の成績、試験結果、推薦状、エッセイなどを求めます。一方、英国では、志望コースの要件に加えて、合格通知に付いた条件を確認することも大切です。
入学前に確認したいこと
・必要な成績や履修科目
・試験や語学の要件
・提出書類と準備期間
・合格通知後に満たす条件
大切なのは、「海外だから入りやすい」と判断しないことです。自分の学習状況と、その大学の出願条件が合っているかを、一つずつ確認しましょう。
■ ② 卒業条件は「単位の合計」だけではない
大学の卒業条件を調べると、必要な単位数が出てきます。ただし、合計が足りていれば、どの科目を取ってもよいわけではありません。
必修科目、専攻ごとの条件、成績基準、研究や実習なども確認が必要です。また、国によって単位の仕組みが違うため、単位数の大小を、そのまま勉強量や難しさに置き換えることはできません。
大学の資料で、ここも見てみよう
「何単位必要か」に加えて、「どの科目が必修か」「進級条件は何か」「卒業研究や制作が必要か」を確認すると、入学後の学びを具体的に考えられます。
■ ③ 学生の意識は、国籍だけでは決まらない
「海外の学生は主体的で、日本の学生は受け身」という説明も、慎重に考えたいところです。同じ大学でも、学ぶ目的や生活条件、授業への参加の仕方は人によって異なります。
そもそも主体的に学ぶとは、発言が多いことだけでしょうか。授業の前に資料を読む、不明点を整理して質問する、指摘を受けて課題を修正することも、大切な学習行動です。
学生を国ごとに評価するより、どのような授業や支援があり、自分がどう学べるかを見る方が、進路選びに役立ちます。
■ 国のイメージより「自分の1週間」を想像する
気になる大学が見つかったら、入試案内だけでなく、授業の内容や課題、評価方法も調べてみてください。「どんな授業を受け、その前後に何をするのか」が見えると、大学生活の捉え方が変わります。
外国語で学ぶなら、授業を聞くだけでなく、文献を読み、レポートを書き、質問する場面もあります。費用や生活環境も含めて、学習を続けられる条件を考えることが大切です。
候補の大学を比べる3つの問い
① 自分が学びたい授業や分野はある?
② 卒業までに、何をできるようにする必要がある?
③ 困ったときに使える学習・生活支援はある?
日本か海外かという選択の前に、まずは自分が何を学びたいのかを言葉にしてみましょう。その目的に合う課程を探すことが、納得できる大学選びにつながります。
メイン記事では、各国の入学制度、大学ごとの卒業条件の例、進学先を比較する確認表をまとめています。「入学後の学び」まで含めて考えたい方は、あわせてご覧ください。
この記事は日本・米国・英国の例を扱っており、海外全体に共通する説明ではありません。出願・履修時には、対象大学の最新の公式資料を確認してください。
参考:EducationUSA/UCAS