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シンガポール駐妻図鑑⑥

3.5年暮らして見えてきた、愛すべき妻たちの生態


10. 旅行代理店化妻


シンガポールを拠点に、近隣諸国を攻めるタイプ。


マレーシアに始まり、タイ、ベトナム、インドネシア、カンボジア、オーストラリア。


週末、連休、スクールホリデーを最大限活用する。


このタイプは、航空券比較サイトを見る目が鋭い。


ホテル予約も早い。


旅程表も細かい。


子連れ移動の動線も完璧。


空港ラウンジ、Grab事情、現地レストラン、雨季乾季まで調べ尽くす。


家族旅行というより、小規模な海外遠征である。


夫が
「今度の休み、どこか行く?」
と言った時には、すでに候補地、航空券、ホテル、現地ツアーがリスト化されている。


夫はただ、承認ボタンを押すだけ。


旅行代理店化妻の怖いところは、旅の手配能力が年々上がっていくことである。


最初はバリで感動していたのに、気づけば、
「次はちょっとラオスもありかな」
などと言い始める。


「アンコールワットも駐在中に行っとかないとね」


「帰任が決まったら、最後はモルディブだよねやっぱ」


シンガポール生活の真の醍醐味は、東南アジア旅行にある。


そう確信しているタイプである。


(つづく)