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その後のクレームママ友。


結局、日本に帰国してから1年以上が経過した。

帰国当初は、「日本のインターでも意外と悪くない」「B子ちゃんも楽しく通っている」と聞いていたし、実際、B子ちゃん自身はそれなりに新しい環境に適応していたように見えた。

ところが、時間が経つにつれ、落ち着かなかったのはむしろB子ちゃんではなくクレームママ友の方だったらしい。


日本のインターについても、

「英語環境が足りない」

「レベルが低い」

「グローバル感覚が身につかない」

などなど、次々と不満が出てきた。

もっとも、その話を聞いていると、本当に問題だったのが学校なのか、それとも日本での生活そのものだったのかは、よく分からない。


シンガポール時代は、駐在妻として海外で暮らし、インターナショナルスクールに通う子どもを育てるという分かりやすい肩書きがあった。

ところが日本に戻ると、ただの専業主婦になってしまう。


もちろん専業主婦も立派な役割だ。

しかし本人にとっては、それだけでは物足りなかったのかもしれない。


そんなこんなで、結局「B子ちゃんの教育環境」を理由に、再び東南アジアへ。


今回はシンガポールではなく、パパが赴任しているマレーシアだった。


ようやく家族一緒の生活に戻るのかと思いきや、話を聞く限りではそう単純でもないらしい。


仕事が忙しいのか、何か事情があるのかは分からないが、パパはあまり家にいないようで、結局は母と娘の生活が中心。


日本にいた頃と大きく変わらない、ほぼワンオペ状態だったという。


そして、環境が変われば全て解決するかと思われたものの、人生はそんなに簡単ではない。


新しい学校、新しい友達、新しい国。


大人が思う以上に、子どもにとっては大きな負担だったのだろう。


しばらくすると、今度はB子ちゃん自身が学校生活で苦しみ始めたという話も聞こえてきた。


親として心配するのは当然だ。


ただ、親が不安になればなるほど、その不安は子どもにも伝わる。


学校への相談が増え、学校側との認識のズレも生まれ、気付けば関係がぎくしゃくしてしまう。


海外でも日本でも、結局同じような構図が繰り返されているように見える。


もちろん外から見ているだけなので、本当の事情は分からない。


学校に問題があるのかもしれないし、運が悪かっただけかもしれない。


ただ一つ思うのは、環境を変えることと、問題が解決することは別だということだ。


シンガポールにいても。

日本にいても。

マレーシアにいても。


子育ての悩みはなくならない。


そして親自身が満たされていないと、その不安や焦りは、どうしても子どもに向かいやすい。


B子ちゃんの将来を真剣に考えているのは間違いないのだろう。


でも時々、「子どものため」という言葉の中に、親自身の願望や不安が混ざってしまうこともある。


海外に住むこと。

インターに通うこと。

英語ができること。


それらは確かに価値のある経験だ。


でも、それ自体が幸せを保証してくれるわけではない。


結局のところ、どこの国にいても、親が自分の人生を持ち、子どもが子どもとして生きられる距離感を見つけることの方が、よほど難しく、そして大切なのかもしれない。