生野菜は健康にいい!?② | 最果てなど無いと知る〜健康を本質から考えるブログ〜

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今回は食物繊維のお話。

 

 

食物繊維についても、たくさん摂れば健康になるというイメージがあります。

特に昨今よく聞くのが、腸内細菌の菌活に食物繊維がいいというものです。

食物繊維は人間が消化できないので、腸内細菌の栄養となり、

その腸内細菌が作る短鎖脂肪酸が身体にいいとされています。

果たしてこれは本当でしょうか。

 

 

短鎖脂肪酸は脂肪酸の一つで、炭素数が6以下のものです。

種類としては酢酸、プロピオン酸などがあります。

 

 

短鎖脂肪酸の役割としては、

  • 食細胞(マクロファージなど)が活性化し、バクテリアや微生物の侵入を防ぐ
  • 小腸粘膜細胞の細胞内インフラマソーム(反応するアンテナのようなもの)を刺激し、パネス細胞から抗菌ペプチドを放出させ、腸粘膜バリア機能を保持

といった、腸内環境の形態形成維持が主な役割です。

 

 

形態形成維持とは、その生命体が形態、生物を組織的にみた有様の、

姿かたちを維持するというもので、免疫もこのうちの一つです。

 

 

ただし、上記の短鎖脂肪酸の役割は少量においてで、

腸の中で完結する量に限ってのことです。

過剰になると次のことが起こります。

 

 

  • 小腸粘膜細胞・食細胞のインフラマソームに作用し、炎症性サイトカインのインターロイキン1β放出。持続的な放出で慢性炎症を起こす
  • 3〜5日で入れ替わる腸粘膜細胞の幹細胞の増殖を抑えてしまう。
  • 血液内に吸収され、ランドルサイクルによって糖の代謝が妨げられる。結果、乳酸の蓄積や他の脂肪酸の蓄積が起こる

 

といったように、これは食物繊維をたくさん食べた時に起こり得ます。

食物繊維をたくさん食べると、短鎖脂肪酸だけではなく、腸内細菌そのものが過剰に増殖します。

結果として、腸内細菌が放出するエンドトキシン(バクテリアの内毒素)が過剰になって、炎症が加速する危険性があります。

 

 

エンドトキシンが血液中に入ると、敗血症を引き起こす危険性があり、

死に至る場合もあります。

余談ではありますが、新型コロナウイルス感染症で重症化または死亡した例は、

エンドトキシンによる敗血症の状態とよく似ています。

 

 

他にも腸内細菌が過剰に増殖すると、本来の生息域である大腸から小腸に進出し、

SIBO(小腸内細菌増殖症)を引き起こしかねません。

SIBOを引き起こすと、ガスが溜まりやすくなったり、下痢しやすくなったりします。

 

 

腸内細菌についても誤解があります。

腸内細菌には善玉菌も悪玉菌もありません。

人間が勝手に概念を作っているだけに過ぎません。

この善玉菌が身体にいいという根拠は、健康な人の便に、たまたま乳酸菌が多かったという程度の話で、全く根拠のないものです。

日和見菌は、その生命体の身体の状況によって、良し悪しが変わります。

 

 

乳酸菌は、文字通り乳酸を作り出す菌です。

過剰な乳酸は、がんをはじめとする慢性病への近道ですので、

発酵食品やヨーグルトを毎日せっせと食べてもあまり意味がありません。

食べたいときに食べるって感じで、常食するものではないと思います。

 

 

腸内細菌は全て、免疫細胞の管理下に置かれます。

それは、生命体のその時の生命場によって変わります。

免疫細胞には共生というものはなく、自己か非自己かを判断しています。

健康体であれば、食細胞の食作用のみで終わり、食細胞の手に負えない場合は、リンパ球が登場して炎症を起こします。

共生しているように見えるのは、免疫抑制が起こっているだけのこともあります。

 

 

免疫細胞を警察、腸内細菌を民衆と例えるとわかりやすいかな。

警察が民衆を管理できる数であれば、問題はありませんが、

民衆が大量に増えて暴徒化してしまったら、警察はすぐに鎮静化できないって感じです。

すぐに鎮静化できないので、軍隊を呼んで炎症という武器を使って一気に燃やしたり、

警察や軍隊でも管理ができなくて、エンドトキシンが流出してしまいます。

今回は免疫の話ではないので、これくらいにします。

 

 

他によく聞くのは生野菜に含まれる酵素の話です。

この話は、人間の身体で作られる酵素には限界があって、それを使い切ったら酵素がなくなるから、

食べ物から酵素を摂りましょうというものです。

いいえ、そんなことはありません。この話は何冊かの本にありますが、

もっともらしく聞こえるだけで、なんの論文やエビデンスが存在しません。

そんなに健康に寄与するなら、論文の一つくらい残してもいいのにと思います。

 

 

酵素は人間の消化酵素によって失活します。

ここでも自己と非自己を見分けています。

非自己のものは一度分解し、体内でエネルギーを使ってなんらかの形に再利用します。

何に再利用されるかは、その生命体の状態により変わります。基本は身体に必要とされるものになります。

コラーゲンサプリを摂ったら、そのままコラーゲンにならないのと同じです。

材料とエネルギーがある限り、酵素は作り続けられます。

エネルギーそのものもATPという酵素です。

 

 

ということで、食物繊維としてはほどほどにして、大量に野菜を食べない。

なおかつ、とても消化の悪い生野菜の状態で食べない方がいいというのが僕の答えです。

僕は昔から野菜、特に生野菜が苦手で、これはどうしてなんだろうと思ってました。

なのに母は、生のピーマンが身体にいいといっては、僕に無理やり食べさせました。

僕は鼻をつまんでこれを涙目で我慢して食べてました。

今ではどうして生野菜が苦手なのか、納得できました。

野菜の苦味成分も動物に食べられないようにするための工夫です。

野菜は加熱すれば、柔らかくなって消化の手助けになるし、有害な成分も軽減できます。

 

 

大抵の健康情報って、マーケティングやコントロールが入っているように感じます。

生野菜については、多くの人が健康に良いと信じ、生野菜は身体にいいとコントロールされています。

関連商品もたくさんあって、ドレッシング、オイル、マヨネーズなど数え上げたらキリがありません。

酵素ドリンクも酵素以外に菌が生成した色んなものが混ざっています。

酵素ドリンクは大抵が甘いので、体調が良くなったという話は、

単に糖が身体のエネルギー源になっただけでしょう。

健康情報に関しては、良いも悪いも知って、それを俯瞰してみるというのが重要です。