今回は生野菜のお話。
野菜を食べれば健康になれるとお思いでしょうか。
また、サラダなど生野菜は健康に良いとお思いでしょうか。
はじめに、厚生労働省は1日に野菜を350gを食べることを推奨しています。
この根拠から解説します。
国が実施している国民健康栄養調査により、
野菜を食べることで主にビタミンやミネラル・食物繊維を摂取することができます。
その中でも特に抗酸化ビタミンのビタミンCやビタミンE、カリウムやカルシウム、そして食物繊維などの摂取は現代注目されている生活習慣病、さらには循環器疾患やがんの予防に効果的に働くといわれています。
それぞれの栄養素の目標量を充分摂取するために、野菜がどれくらい必要なのかを分析した結果、350g以上が必要であると求められているのです。
とありますが、何か変と思いませんか?
野菜はトマトのような果実野菜、葉物、根菜、きのこ類と様々です。
なのに350gという基準だけです。
また、何の種類を食べるといったことは全く記載がありません。
350gといえば、大玉のトマト約2個分です。
だけどトマトだけ食べれば良いのか?という疑問がわきます。
この辺りがまるで明確ではないのです。
野菜が苦手なのに、こんなに食べなきゃいけないなんて!って思った方には厳しいノルマと思います。
また生野菜を食べるメリットは、特に無いどころか、健康状態の悪い方にとっては良くないというのが、僕の答えです。
野菜を売る立場ですので、このことを言うのは中々勇気がいります。
僕としては、食べたい人は食べればいいのでは。というスタンスでありたいです。
だから押し付けるわけでもなく、菜食や肉食を美化するものでもありません。
ただ、一旦頭を真っ白にしてこういうことがあるよと書いていきます。
純粋に野菜を生物としてみてみます。
野菜は植物のうち、たまたま食べられるものです。
葉を食べる葉物野菜。
あの葉は食べるためにあるものではありません。
葉は植物が成長するために、光合成の目的で広げているものです。
そんな自分の成長に使う葉を、地面の上で無防備に伸ばしっぱなしにしているでしょうか。
例えばほうれん草は、野菜として食べられている葉が成長すると、
その後に薹(とう)が立ち、花を咲かせ、受粉して種ができます。
種ができる前に動物に食べられてしまったら、その種族は終わりを迎えます。
そのため、植物は食べられる部分の葉、種、根に動物に対する毒を仕込みます。
それが
- 多価不飽和脂肪酸
- ポリフェノール
- カロチノイド
- 硝酸態窒素
- サポニン
- シュウ酸
といったものです。
大根の辛味成分イソチオシアネートや唐辛子のカプサイシンもそうですね。
ポリフェノールやカロチノイドは健康に良さそうに思えますが、実は野菜が自らを守る防御物質です。
ただ、野菜から摂る分にはあまり吸収されません。
抽出されて高濃度にしたものサプリメントは危険です。
チャ抽出物という食品添加物は、酸化防止のために添加されるお茶から抽出したポリフェノールです。
しかし、長期の使用で肝臓に障害が出ることが分かっています。
この中で大きな影響があるのは、
- 多価不飽和脂肪酸
- 硝酸態窒素
- サポニン
です。
多価不飽和脂肪酸についてはこちらの記事。
酸化してアルデヒド化したものが大問題を引き起こします。
硝酸態窒素はえぐみのもとになります。
植物が取り込んだ窒素が植物の中で酸化したものです。
窒素は動物にも必要なものではありますが、
この硝酸態窒素は身体の中で窒素酸化物となり、ヘモグロビンに吸着するという厄介な性質を持っています。
そうなると窒素酸化物が結合したヘモグロビンには、酸素が結合できなくなります。
要は硝酸態窒素は酸欠状態を作り出してしまうのです。
大人には直ちに影響は出ませんが、細胞レベルでは影響が出ます。
新生児の場合は、ブルーベイビー症候群(メトヘモグロビン血症)といって、少ない割合ではすが死に至る場合があります。
硝酸態窒素が多くなるのは、生で食べる時のみです。
加熱、特にゆでこぼすと硝酸態窒素を大きく低減できます。
他、焼く、炒める、漬ける調理法で低減できます。
選び方としては、色の濃い野菜を避けることです。
葉っぱの色が濃い方が栄養価が高いイメージがありますが、
葉っぱの色が濃いほど硝酸態窒素が多くなっています。
窒素が多いということは、化学肥料を使っているか、有機肥料の使いすぎです。
そういった野菜は不自然で不健康ですので、早く傷みやすいという特徴もあります。
今ではどこの外食に行ってもサラダがありますが、
生野菜を食べるのは西洋文化のひとつです。
ドレッシングは大抵が、プーファの植物油脂と一緒になっており、
野菜よりもドレッシングの味が際立っていることもあります。
日本には古来より生野菜を食べる習慣はありませんでした。
必ず火を加えたり、加工したりして食べていました。
本能的にこのことを知っていたのかなと思います。
このあたりが日本人の感覚の凄いところだと思います。
サポニンについては、ナス科や豆類に含まれている成分です。
これも植物が外敵から身を守る防御物質です。
サポニンは界面活性作用を持っています。ナスの切り口同士を擦り合うと、泡立ってきますが、これがサポニンの界面活性作用です。
つまり石鹸と同じ性質を持っています。
これが腸の壁にくっつくと細胞を傷つけ、腸の細胞同士をくっつけるタイトジャンクションが弱まって腸に隙間が空く状態になります。
これをリーキーガット症候群といいます。
この隙間から未消化のものや腸内細菌が腸の外へと漏れ出し、
アレルギー反応や炎症、敗血症という事態を招く危険性があります。
敗血症といえば、新型コロナウイルスで重症化した症状とよく似ています。
そのため、常食や過食は禁物です。
ナス科に関しては、生で食べるものはトマトですね。
ナスや豆については、生ではとても食べられたものではありません。
長くなってきました。
その①は一旦ここでおしまいにして、次は食物繊維についてお話をしたいと思います。