東京大学 国語 二〇一六年(東大入試解答例)です。

文理共通第一問 現代文 解答例(内田樹「反知性主義者たちの肖像」ホーフスタッターは…)

(一)自説に拘泥せず、未知のことは知らないと認めて素直に他人の話を聞いた上で、直感的に納得すれば、知の枠組みを更新して受け入れる人。
(二)反知性主義者はどの話題に関しても、人の意見を聞く前から自分の結論を持ち、自説を保証する方向性の証拠を揃えているということ。
(三)自分の思考が相手の理非判断に一切影響せず、何の意味もないと言われるのは、自分の存在意義を否定されているのと同じだから。
(四)発想を促す創造的影響を周りに与え、集団として情報を取り入れ、吟味し、対処法を決めるという知性の発動過程を活発化する力。
(五)その人物がいることで集団の知性が活性化すれば知性的、逆なら反知性的と見なすと、いつも実際に、前者は先入観なしに他者の意見を聞いて判断し、柔軟に知の枠組みを更新できる人で、後者は自説を絶対に正しいとして他者を否定する人であるということ。
※個人そのものでなく集団(にその人が与える影響)を見て知性的かどうかを見る、そこでの判断は実際に個人そのものを見ても正しい判断だったといえる、ということがしっかり書けていれば高得点。
(五)陳腐 怠惰 頻繁


文理共通第二問 古文(『あきぎり』まことに限りと…)


(一)エ 悲しいと表現しても、世間の普通の言い方である。※「哀しい」程度の表現では、この悲しみを言うには追い付かないということ。言うもおろかなり、などと似ている。
  オ すぐに迎え申し上げるつもりだ。
  キ 視界に入れることさえなさらないので
(二)尼上の死後も、御乳母には、姫君を大切に世話して欲しいということ。
(三)尼上がご存命の間は、私がたまたま姫君のそばを離れる時もあるでしょうが
(四)姫君が、母親の尼上同様、自分も死んでしまいたいということ。
(五)姫君は、母親に死に遅れてしまい、さぞかし悲しんでいるだろう。

 

 


文理共通第三問 漢文(蘇軾 寓居定恵院…)
 

(一)a 人のいない谷
  c 一つもすべきことはない
  f どうして触るのに耐えられようか、いや耐えられない。 

   ※fは「触るるに」の「に」がポイント。見るに忍びない、なら、見るのに耐えられない、ですよね?
(二)濃淡のある紅色の海棠を、美女の唇や酒を飲んで上気した頬にたとえている。
(三)大きな渡り鳥が、海棠原産地の西蜀から黄州まで種をくわえてきた。
(四)故地を離れ、寂しい地に咲き誇る海棠を、流罪にされ才を持て余す己に重ね、悲しみを慰めるため。

 

 


文系第四問 現代文 解答例(堀江敏幸「青空の中和のあとで」その日、変哲もない…)


(一)天候の急遽な崩れと再生は、他者の予報であらかじめ知るのでなく、日常生活を送る中で自身の五感で察知して体感してこそ恩寵たり得るから。
(二)海も空も遠くでは青に見えるのに、間近には確かめられない幻のような色である一方、急激に変化する際には重大な現実をもたらす点。
(三)内心には時に不安定な暴発があり、それを露呈しないよう密かに処理することで、日常は表向きの平穏さを保っているということ。
(四)青空の崩れと回復という天候の非日常に、自身の心情を重ねて安堵を得ようとの期待が、赤い風船という別の非日常の闖入で裏切られたこと。


 

※これは国語講師・吉田裕子が個人的に作成したもので、出講先の組織的な見解ではありません。

 

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