東京大学 国語 二〇一八年(東大入試解答例)です。

文理共通第一問 現代文 野家啓一『歴史を哲学する 七日間の集中講義』 

(一)直接知覚できない素粒子の実在を裏付けるとされる実験的証拠は、それが素粒子の痕跡であると説明する物理学理論に支えられていること。 
(二)人間が直接知覚できない物体の実在性を理論的手続きで保証するだけで、実在しないのに理論で勝手に創造された虚構ではないこと。 
(三)歴史的な事件は、知覚し得る具体的人物・事物自体ではなく、それらを理論的に結び付けて抽象的概念としたものであること。 
(四)歴史的出来事は過去で、その実在性は、直接知覚できない物理学・地理学的対象を理論的な手続きで実在保証するように、史料・資料をもとに理論的に裏付けるものだが、具体的事物そのものではなく、それらに文脈を付けて物語る抽象的構成体でもあること。 
(五)蓋 隣接 呼称 


文理共通第二問 古文(太平記)  

(一) ア 開けて見ることさえなさらずに 
イ かえって和歌以外の普通の言葉はなくて ※詞(ことば)は「詞書」などと使うように、和歌ではない普通の散文の部分を指す。 
エ 今回の機会は悪くはない 
文系のみ(二) 突き返された文でも、恋しい人の手に触れたと思えば、愛おしいから。 
(三) 女房の返事は、師直に、衣と小袖を揃えて送れという意味であること。 
文系のみ(四) 自分の妻でない人妻の私と褄を重ね、罪深い関係を持ってはならないこと。 
(五) 人目が気になるが、内心では師直のことを受け入れたいということ。 
※後ろで師直が喜んでいる文脈から「人目ばかりを」=「人目だけを」と解釈し、人目が気になるだけで、内心はOKという意味にしている。 

 

 


文理共通第三問 漢文(王安石『新刻臨川王介甫先生文集』)

(一)a 憂慮する 
  b 高い地位 
  c 与えない/与えずに終える/それで終わりだ 
文系のみ(二) 天下の士は皆、地位などの自分が得たいものを得るために、進んで努力して優秀な人材になるはずだ。 
(三) 人材を待遇するための方法がしっかりと整えられていた。 ※至れり尽くせりの「尽」。 
(四) 皇帝が率先して誠意や憐みの心で努力し、それに応じる優れた人材が出るのを待つべきだということ。  

 


文系第四問 現代文 串田孫一『緑の色鉛筆』

(一)大人が、動物の生態の内で感動の親子愛に見える面を選んで教育的に押し付けると、むしろ子供自身の興味や体得的理解を妨げかねないこと。※親子愛=1・3・4段落の具体例反映 
(二)動物と子供との間の、時に残酷でもある対話を正確に記さず、大人の期待する、思いやりなどの人間性が強調された記述になっていること。 
(三)蚤に自分の血を吸わせた少年は、自己犠牲の精神で動物愛護に努めたのでなく、単に蚤をうまく飼育する方法を工夫しただけであるから。 
(四)子供が物の玩具で一方的に遊ぶのや、人形を擬人視して言葉で語りかけるのとは違い、沈黙のなか身体的に相互に働きかけ合うこと。 


 

※これは国語講師・吉田裕子が個人的に作成したもので、出講先の組織的な見解ではありません。

 

吉田裕子の携わった勉強関係の本

 

 

 

吉田裕子担当の連続講座(カルチャースクール)

単発参加も可能な吉田裕子主宰の講座

SNS

twitter1 / twitter2 / Facebook / note / Youtube