清少納言『枕草子』 2014年10月 (100分 de 名著)/NHK出版


先月15日に開催した吉祥寺古典を読む会、今月も盛況でした。最近は毎月、20人を超えるご参加をいただけるようになって、賑やかで嬉しいですニコニコ


今日のテーマは、『枕草子』に見る定子の輝き


庇護者である父の死、兄 伊周らのおこした不祥事、自身の出家と還俗による世間からの非難、母の死……

前月の『栄花物語』で描かれた、定子の悲劇的な運命を踏まえて読むと、意識的に楽しい思い出を切り取ったのであろう、『枕草子』日記章段は、切なく、そして、美しいものに思われます。

参加者の方からも、

「定子の置かれた状況やその歴史的な結末を知ると、切なくなってくる文章でした。また、家に帰ってから読み返してみたいと思います」

とのご感想を頂戴しています。


「清少納言と言えば、少し嫌味なイメージを持っていたが、今日は見方が変わりました。こんな部下がいたということで、定子様も不遇な中にも恵まれたところもあったのだなと思った」

とのご感想もありましたが、これを拝読して思い出したのが、浜崎あゆみの『UNITE!』という歌。

“楽しい時は誰とでも分かち合える
だけど辛く悲しい時には そうそう
他の誰かなんかじゃうめられない”

という歌詞があるのですが、定子にとって、清少納言は苦楽をどちらも分かち合えるような存在だったのではないでしょうか。


また、こんなご感想も。

「清少納言が文才に恵まれて『枕草子』が書けたことは、清少納言にとっても定子にとっても幸せなことだったと思います」

私が定子を好きなのは、つらい状況下にあって、「それでも楽しみを見つける」「それでも笑う」という凛とした強さを感じるからですが、清少納言にも、生来の気質なのか、定子に感化されたのか分かりませんが、同じ種類の強さを感じます。

定子と中関白家の凋落を生々しく描く『栄花物語』とは違い、『枕草子』には、陰は微塵もありません。清少納言が、定子の不遇や死を経験しながらも、あえて定子の輝きを書き残してくれたことに、感謝の念を禁じ得ません。


「香炉峰の雪の段など、場面が浮かぶように話してくださり、気持ちを理解できたように感じました」

というご感想も頂戴しましたが、ぜひ私も、清少納言が定子の輝きを書き伝えたように、古典作品の魅力を語り伝えたいと思います。

カルチャースクールも4月期の講座も、間もなく開講です。

第2・4月曜13時 東急セミナーBE二子玉川校
第2月曜10:30 産経学園 新百合ヶ丘校
第2・4金曜13:15 NHK学園 市川オープンスクール

東急セミナーBEでは平安時代の物語全般、産経学園では『源氏物語』、NHK学園では古典文学全般を扱います。

それぞれ、皆様のご参加をお待ちしております音譜


★ホームページはこちら。著書(『美しい女性(ひと)をつくる 言葉のお作法』(かんき出版)、『頭をよくする整理のしかた』、『人生が変わる読書術』、『正しい日本語の使い方』、『大人の文章術』、『源氏物語を知りたい』、『東大生の超勉強法』(枻出版社)など)でも情報を発信しております。