一年前の春。
初めて東南アジアに位置するラオスに訪れました。
まだ右も左もインコネのこと、ラオスのこと、国際ボランティアのこと。
何もわかっていませんでした。
ノンテノイ村に着いたとき、
手を引っ張ってくれた子どもたち。
ヒアリングに協力してくれた校長先生。
そんな一人一人の優しさに、包まれていた自分がいました。


その優しさに包まれたまま無事に日本に帰国し、日本での活動がスタートしました。
活動する上で、何をしてても全然上手くいかなくてしんどいなぁって常に思っていた時期がありました。
そんな自分に向き合ってくれる人はたくさんいるのに、何もしてこなかった自分。
活動することへの、息苦しさみたいなものを感じていたのを覚えています。
昨年の夏、ノンテノイ村には緑の可愛い小学校が建ち、開校式を行いました。
先輩たち最後のスタディーツアー。
だけど、私はスタディーツアーに行きませんでした。
行かないっていう決断をしたのは自分。
それが悪いとも今でも思っていない。
けれど、フラッシュバックしたんです。
1年前。最後のノンテノイ村。
お別れの時に手を握ってくれた、大好きな子どもたち。
“また会いにきてくれるよね?”
そんな瞳で私を送り出してくれたことを思い出すと、“逢いに行けなくてごめんね。逢って、ちゃんとありがとうって言いたかった” そう心から思いました。
スタディーツアーが終わり、先輩たちも引退し、4期インコネがスタート。
どうしてかわからないけれど、
毎日、毎日インコネのことを今まで以上にたくさん考えている自分がいた。
活動する上で、自分には何もできなくて、ふとした時に涙が出てくるときもあった。
大好きだったし、夢を一緒に追いかけたかったメンバーがどんどん去っていった。
自分が想像もしてなかった現状を見るたびに、どうしたらいいのかわからなくて何度も躓きながら、
一緒に叶えたい夢を追いかけるために毎日、毎日365日間、インコネのこと、ラオスの人のこと、忘れたことがなかった。
ただ一緒にひたすら走ってくれた仲間がいて、応援してくれる方々に支えられて。
毎日、この活動に関われている自分が幸せでした。
何か達成されたとき、一歩進んだ時にわかるんです。
少しでも関わっている人の素敵な未来を創れた瞬間なんかな!って。
そう考えたら、本当に嬉しくて、嬉しくて。
待ってる人たちの為に、ただひたすら走っている自分がいたなって思います。
スタディーツアーの期間は、8日〜18日間。
私が活動する上でやってみたいって思ったことを、一緒に形にしてくださった方々、ラオスに行きたくても行けなかったメンバー。
いろんな人の想いを背負って、空港まで向かってました。
スタディーツアー10thを振り返ってみると、
不特定多数のラオスの人と出逢うことができたスタディーツアーだったなぁと感じています。
ラオスの人に、お仕事を教えている大人の方とご飯をしたり、
通訳さんともたくさんお話ができたり、
ラオスの大学生と一緒に支援先の村を訪れたり、
支援先の大人たち、子どもたちの夢を
たくさん聞くことができたり。
たくさんの人と関わることができました。
その中で、いくつか知ってほしいお話があります。
まず1人目は、カブー村にいるおじいちゃん。

あなたの夢は何ですか?って聞いたら、“新しい学校が欲しいし、実は病院もほしい。 それは全部カブー村の子どもたちの為だから”と、答えてくれました。
その時に私は、おじいちゃんはこのカブー村のことが大好きなんだってすぐに伝わったんです。
カブー村の人たちは、十分な教育環境が整っていないから、夢を語ってくれてるんじゃない。
ただ、そのおじいちゃんの人生の中で
カブー村の子どもたちの為に、語ってくれている夢なんだって感じました。
これって、日本でもラオスでも変わらないもの。大切な人のために何か行動する気持ちは万国共通なんだって思います。
2人目は、ラオス支部のバンディーという男の子。

彼は、本当に優しくてとても頼もしい人です!
カブー村に入り、様々なコンテンツを行うときには、必ず彼がそばにいた気がします。
彼はいつも、全力で子どもたちを楽しませてくれました。
歯磨き、手洗いの講習会を行ったときは、私たちが伝えたいことはもちろん
何度も子どもたちに医療衛生の重要性を訴えかけてくれました。
まだラオス支部が結成して1年も経っていないのに、どう言葉で伝えたらいいのかわからないぐらい、ありがとうでいっぱいでした。
私は、日本だけじゃなくて、ラオスにも素敵な仲間がいます。一緒に夢を追いかける仲間がいるって胸を張って言えると、すごく感じます。
3人目は、1年前仲良くなったノンテノイ村の女の子。

1年ぶりに村へ入ると、すごくニコッと笑ってこっちに駆け寄ってきてくれました。
覚えてるもんなんやな〜〜ってしみじみ感じてたのを覚えてます。
その女の子に手を引かれ、見せられたのは絵本でした。
これ私の好きな本なんだよ!そういって、お気に入りの本をたくさん紹介してくれました。
その本を見ると、本が紛失しないよう番号がつけられていました。
先生たちが、がんばって1つ1つの本に番号を貼ったのかなって思うと、
ちょっと泣きそうになりました。
1年前は、本も整理されておらず、
番号なんてもちろん貼っていなかったのに。
私たちにとったら、絵本って馴染みのあるものですが、ラオスの人にとっては、絵本はあまり馴染みがありません。何でもそうですが、今まで生活に無かったものを大切にしたり、楽しいって思うことって難しいと思うんです。けれど、彼ら自身が自ら行動を起こしてくれたからこそ、私は今、最高の景色を見れているんだって思いました。 そんな彼らをこれからもずっと応援してます。
スタディーツアー10thは、
生涯忘れることがないくらい充実していました。
いつも私の頭の中にフラッシュバックする、ラオスで出逢った一人一人の表情が焼き付いていて、映像として残っています。
高校生の頃、
ボランティアって支援する側がとても偉いって本気で思ってたけれど、
活動する上で思うことは、支援する側は何も偉くないんです。
ラオスの人たちが、持っている夢を
全部叶えることはできなくても、
私は、夢を持って行動している時点で、前進しているんじゃないんかなって思います。
だから、夢ってすごくキラキラしてる。
日本にいてもわかっていたようなことかもしませんが、ラオスに訪れ、関わる中で、私はラオスの人に大切なことを教わったような気がします。



そして、私の人生の中で
いつまでも大切な“人”の中に
ラオスの人たちがいます。
将来、インコネを引退しても、社会人になっても、家族を持ってお母さんになっても。大切な“人”です。
読んでいただき、ありがとうございました。
武庫川女子大学
広報部4期 狭間奈緒