私のオススメ | Infinite Connection

Infinite Connection

私たちINCONNEは“教育の充実から国の充実へ”をモットーにしている関西最大規模の学生ボランティア団体です。ラオス南部のノンテノイ村に幼稚園と小学校を建設、現在はそれらの教育プログラムの充実と中学校建設、医療支援や道路整備を並行して活動中です。


僕のオススメは、旅に出ることです。

別に僕は、毎年数回どこかに一人旅しているわけでも、海外に出かけているわけでも、英語が堪能なわけでも、旅が人生。というわけでもありません。でも、そんな僕のオススメは、旅に出ることです。

僕は、去年の夏、イタリアに約2週間の旅行に出かけました。結論から言うと、行く前からもそうだったんですけれど、帰国してからもいっそう、イタリアに惚れ込んでいます。

イタリアの何が良かったか。ホンモノの本場のイタリア料理とワインの絶妙さ、貫禄の建造物、それぞれの町が魅せる個々の色とその美しさ(ローマ・ナポリ・ミラノ・ヴェニス・フィレンツェ・アマルフィ・カプリ島を訪れましたがそれぞれの都市がそれぞれの味を感じさせてくれました。)、挙げればきりが無いですし、正直、イタリアの全てに惹かれました。

そんな誰でも憧れ、イメージできる、輝かしいイタリアを2週間存分に楽しむ、つもりでした。

ナポリの駅近くのマクドナルドでダブルチーズバーガーを有頂天にほおばっていた僕は、1人。たった1人の少年との出会いにより、いっきにイタリアの現実、むしろ影の部分に叩き落されました。その1人のお世辞にもきれいと言えない服を着ていた少年は、僕の目の前にやってきて、クリクリの目で僕の目をじっと見つめ、すっ、と汚れた手を突き出してきました。

このとき僕は、二度止まってしまいました。一度目は、彼が何をしているかわからなかったからです。二度目は、物乞いと気づき、ショックで固まってしまったからです。海外経験のある方にはある意味、よく見る光景かもしれません。でも、1対1で、しかも輝かしいイメージしかなかったイタリアで、こんなことが起きるなんて思ってもいませんでした。

結局僕は、さまざまな葛藤の末断りました。最終的な結論としては、このような子供達に教育支援している人たちがいるはず。その人たちの立場に立つと、子供が学びに来ず物乞いでお金をもらう習慣を身に着けてしまうと、学びの環境が整っていてどれだけ熱心に応えても、子供達は学びよりも今日生きていくためのお金を得るために物乞いを選ぶ。これは、教育支援の大切さを知る僕としては、良くない。です。いまでもそれは、自分の考えに率直な行動だと思っています。

あの少年には何もできないけれど、今自分の手の届くところにはラオスの子供達がいる。彼らに何かできることは無いだろうか。彼との出会いは、今ラオスに教育支援をしている一人の人間として活動する上での強力な原体験になっています。

読んでいただき、ありがとうございました。


関西学院大学
阿部優志