【紹介】弟の夫(全4巻)【マンガ】 | 俺の嫁ちゃん、元男子。(ちぃのGID-MtFの4コマブログ)

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内容紹介

 

ゲイアートの巨匠、田亀源五郎、初の一般誌連載作品。
弥一と夏菜、父娘二人暮らしの家に、マイクと名乗る男がカナダからやって来た。
マイクは、弥一の双子の弟の結婚相手だった。「パパに双子の弟がいたの?」「男同士で結婚って出来るの?」
幼い夏菜は突如現れたカナダ人の“おじさん”に大興奮。弥一と、“弟の夫”マイクの物語が始まる――。

 

 

こんにちは ちぃです(*┃∀┃*)ノ

 

今回ご紹介する作品はこちら『弟の夫』。全4巻です。著者さんはゲイ・エロティック・アーティストとしても有名な田亀源五郎さん。

 

連載当初から話題で、私も気になって読ませていただきました!

 

カナダ人のマイクが夫の死をきっかけにその家族である弥一(夫の双子の兄)の家族に会い、弥一の娘・夏菜と不思議な同居生活の物語。

 

原作はマンガでテレビドラマ化も決まっているので、知っている人は多いかもですね。


 

【小さな偏見】

 

注目すべきは主人公の一人、弥一の“小さな偏見”

 

亡くなった夫に似ていた弥一に思わずハグをしてしまったマイクに対して、弥一は「離せホモ!」と激高します、脳内で

でも実際は「悪いんだが……」と諭すように言っただけ……。

 

他にも娘の夏菜ちゃんに「男同士で結婚できるなんて変!」と言いたいけど言い淀んだり、夏菜ちゃんがマイクの胸毛に触って変に激高したりと、

 

ひとつひとつ取るに足らないことでも、作品の中にいろいろな小さな偏見が散りばめられているのが特徴です。

 

それは結果的に生前の弟のカミングアウトの返答にも繋がっていて、カミングアウトしてきた弟に拒絶も否定もしなかった、けれど“触れてはいけないこと”にしてしまった……。

 

そういった本来なら偏見かどうかも判別が難しいような小さな偏見が随所に見られ、読み手訴えかけてくれるものがあります。

 

それと同時にその小さな偏見と弥一がどう向き合っていくか、温泉のシーンや学校の先生との話し合いのシーンは弥一の変化が見てとれて嬉しくありました。

 

特に1巻と最終巻である4巻のハグのシーンの“違い”は見比べて、なんだか暖かい気持ちになれるほど。

 

小さな偏見について弥一のみに関して述べましたが、それ以外の人物にもチラホラ見られるのも、それに対して弥一がどうヤキモキするのかも見どころかなと思います。

 

【夏菜ちゃんの目線】

 

主人公のひとり、弥一の娘・夏菜ちゃんの目線も面白い。

 

特に偏見のある大人の弥一とまだまだ偏見のない子ども夏菜ちゃんとの対比は見ていて、ドキドキと同時にハラハラも感じました。

 

カナダではOKで日本ではダメな同性婚に対しても「こっちで良くて あっちでダメなんて そんなの変!」と言いきったり、「どっちが旦那さんで どっちが奥さん?」といった大人の弥一には聞きにくい質問もズケズケと聞いちゃう。

 

それが夏菜ちゃんのいいところ。

 

それによっては弥一が言い淀んだり、マイクが答えたり、2人そろって言い淀んだりもしたシーンもありました。

 

この夏菜ちゃんの視線は物語にいい味を出していて、読み手すら「なるほど」と思わせてくれるような部分もあったりして楽しめます。

 

【物語のあるキャラクター】

 

弥一、マイク、夏菜ちゃんといった3人の主人公も個性豊かで物語はありますが、他にも夏菜ちゃんのお母さんで、弥一も元妻の夏樹さんや夏菜ちゃんのお友達のユキちゃんとトモヤくん、

 

そのトモヤくんの兄であるカズヤくんに弥一と弟の涼二の高校時代の同級生・かとやんなど物語のあるキャラクターが登場します。

 

主人公3人と夏樹さん以外は登場回数がそんなに多くはないのですが、それぞれがそれぞれに物語を持っているため、どのシーンも印象的です。

 

夏樹さんのまっすぐな言葉、ユキちゃんのまっすぐな言葉、2人ともまっすぐな言葉をぶつけてくるけど、そこにはやっぱり大人と子ども違いがあって面白いし、

 

似た境遇のカズヤくんとかとやんも、また大人と子どもで違う雰囲気が出てるから面白い。

 

その面白さであったり、対比というのは読んでみないと分からない。

 

個人的キャラクター面で印象に残ったシーンは、かとやんとマイクの会話のシーン。

 

ゲイであることをオープンにしているマイクがかとやんに

 

「もし今度、家の近くであったら、私 声かけない方がいいですか?」

 

それに対してかとやんは「その方がいいかも」と言います。

 

これはすごくすごく悲しいことで、また対比としてカズヤくんはマイクを見かけて、友だちがいても会釈し駆け寄ってるあたりが、またかとやんの発言の物悲しさを感じます。

 

【美味しそうな料理】

 

あんまり物語に関わってるわけではないけど、物語を彩る料理や食べ物もこの作品の魅力だと思っています!

 

「寿司のてんぷら」にはじまり(これはよく分からないもののとして同性愛の比喩として使われた)、

 

マイクの作った「チーズマカロニ」、弥一がカズヤに入れてくれた「ホットココア」(タイトルではホットチョコレート)、毎朝の「朝食」に極めつけは弥一特製の「肉団子鍋」

 

日常的な食事シーンは見ていてほっこりとさせてくれました。

 

とこく物語の軸の部分では重たい話がどうしても出てくるので、そうした食べ物のシーンは何故だかほっとして、難しい話をマイルドにさせてくれた印象です。

 

……私も肉団子鍋作ってみよう。

 

著者の田亀源五郎さんはゲイ・エロティック・アーティストというだけあって、かなりハードでエロティックな描写が得意なので、こういった暖かいシーンは田亀さんの新しい一面を見れた気がします。

 

【まとめ】

 

本当は言い足りないことがたくさんある!もっと語りたい!と思うくらい素敵な作品でした!

 

できることならもっと3人の物語を見ていたけれど、うまく綺麗に4巻で収まった印象もあるので、これ以上は蛇足になっちゃうのかなと、それもそれでヤキモキ。

 

同性愛だけでなく、小さな偏見などについても考えてみるきっかけとして、素晴らしい作品だと思いますし、またこれをBLやゲイコミックではなく、一般誌としてこれを掲載したことは大きな功績なのではないかと感じます。

 

ドラマ化も決まっているということでぜひそちらも楽しみにしたいと思います!


ではでは(*┃ω┃*)ノシ


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