こんにちは!
内容紹介
●中・高生から実際にでた質問に答えるQ&A形式
●章末のコラムで基礎知識も身につき、入門書として最適
●当事者はもちろん、周囲の人たちの理解にも役立つ
●学校図書館・保健室・相談室等に必備の本。相談先一覧付
●女子だけど、男の子のおもちゃが好きなのはなぜ?/男の人がカッコイイと思うのはゲイだから?/バイセクシュアルって、男と女、同時につきあえるの?/同性愛って、思春期の一時的気の迷い?/彼氏から「女の子になりたい」と言われてびっくり!?/進学時に性別を届け出で変えることはできる?/「オネエ」って、ゲイなの?
「性の多様性」を中心に、中・高生から実際に出た質問に答える形で「性」について考える。
こんにちは ちぃです(*┃∀┃*)ノ
今回、紹介する書籍はこちら『LGBTなんでも聞いてみよう 中・高生が知りたいホントのところ』です。
LGBTに関するQ&A方式の書籍は他にもたくさんあり、入門書のポジションの書籍まで入れるとかなりの数があります。
今回ご紹介する書籍もそのひとつではありますが、タイトルにもある通り“中高生から実際に出た質問に答える”という点で特化しているように思います。
また中高生からの質問に答えるという形式をとっているため、比較的内容も分かりやすくなっているかと思いますし、単純なQ&A方式だけではなく、コラムとしてセクシュアリティやジェンダーに対しての説明もあります。
【ならではな質問】
この書籍にはタイトルにあるように、いかにも中高生が疑問に持ちそうな質問やもう少し突っ込んだ質問などがその答えがいっしょに書かれています。
例えば「同性愛の人は家族をもてなくてかわいそうじゃないですか?」とか「レズって宝塚の男役みたいな人なんですか?」などなど。
質問も大きく「「ふつう」って、なに??」「これってLGBT?」「恋愛あれこれ」「将来のこと」「カミングアウト」と5つの章に分かれていて読みやすいポイント。
とくに中高生という多感な時期は“恋愛あれこれ”にまとめられている質問は参考になることが多いのかなと思います。
【詳しい解説】
内容はQ&A方式のものだけではなく、詳しく解説したコラムもあります。
その中にはタイトルのLGBTに限らず「アセクシュアル」や「ヘテロセクシュアル」「シスジェンダー」「クエスチョニング」の説明も載っており、LGBT以外の部分にも注力しているイメージがありました。
どうしてもLGBT以外のセクシュアリティやジェンダーは埋もれがちになってしまいますし、読み手の人も「こんなにいろんなのがあるんだ」と知ってもらえるだけでも違うと思います。
他にも「デートDV」や「性感染症」「カミングアウトとアウティング」「身体的性別移行」など個人的には「ここまで説明するか~」と思ってしまう充実っぷりです。
また「カミングアウトを受けたら」という項目もあるので、このコラム部分だけでも、かなり参考になる部分が多いのではと思います。
【個人的に良いと思う部分】
正直なところ、詳しい解説コラムや今までになかったような質問、一見LGBT関係の質問はとても充実していますが、LGBT系のQ&A方式の書籍は少し食傷気味だと感じてました。
ただ個人的に、これはいいなと思ったのは冒頭に“この本をつくった8人を紹介します”ということで「みんな、中学の時どうだった?」の質問に簡潔に各々が答えているのは、著者の部分が見えていいなと思いました。
著者紹介はよくあっても、巻末だったり略歴であったりして、読み飛ばしがちなのと、“中学の時どうだった?”という質問も書籍のコンセプトにあっていて良かったと感じました。
またちょこちょこ間に入るイラストもシンプルで可愛らしく、どことなく無性感あって好印象でした、個人的にはもっと挿絵はあってもいいかなと思いましたが。。。
【個人的に残念な部分】
私がこの書籍をはじめて読んだと時、少し読みづらさを感じました。
Q&A方式の書籍でそちらがメインなのですが、質問も回答も文量が多く、文中にほとんど太字もないので、中高生向けというには少しお堅い教科書を読んでいるような感じでした。
また冒頭、比較的分かりやすく解説されていると書きましたが、個人的には「少し中高生にはこの説明は難しいのでは?」と思う部分がちらほらあって、もう少し噛み砕いた表現でも良いのかなと思いました。
【まとめ】
最後に少し苦言を言いましたが、全体的にはとても充実していて読み応えのある書籍だと思います。
特に「ふつうって?」とか「勝ち組は幸せ?」とか「ぼっちは変なのか?」といった、一見LGBTとは関係ないんじゃないかと思うような質問も、その回答も直接LGBTに触れているワケではないのですが、LGBTに置き換えることもできるなと思える内容だったり。
Q&A方式の書籍はたくさんありますが、中高生という思春期のティーン向けというのも面白いので、合わせてみてもいいと思います。
※普段は「LGBTs」という言葉を積極的に活用していますが、本稿では書籍の内容に合わせて「LGBT」という言葉を使わせていただいています。
花嫁は元男子。 Amazon |
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