2018年8月17日の鹿児島市内散策の続き。
「仙厳園」「尚古集成館」の続き。
仙巌園・尚古集成館(その2)のレポ
「御殿」の内部を更に進むと、「御次の間」の由緒書きがあります。
客人が島津家の当主に面会する際、この部屋を経て「謁見の間」へと入りました。
この部屋から床が一段高くなっていますが、ここから先が「御座の間」と呼ばれる島津家29代島津忠義公の部屋が並ぶ区画です。
廊下を更に進むと、板戸がありました。松が描かれていますね~お金がかかっています!
こちらにも、板戸が!仙人でしょうか、男性が描かています。
「謁見の間」の由緒書き。
来客者への応接に使用された部屋で、二間続きで、廊下も畳敷きであることから、一度にたくさんの人と会うことができました。「謁見の間」から他部屋への境には杉戸が備えられています。
天井の照明器具は、明治期からこの御殿で使われていたもので、当時は水力発電で電気を供給していました。
照明の傘には島津家の家紋・丸十紋が施されていて、平易でありながらも美しい仕様となっています。
こちらが、「謁見の間」。
「謁見の間」の廊下は、先程の由緒書きの通り、畳敷きの廊下が続いていて…
欄間も見事♪
上座には、床の間と天袋・地袋があります。
こちらにも、杉戸が!絵画も素晴らしいですね~♪
続いて、「御居間」。島津家29代忠義公が1日の大半を過ごした居室で、書類の決裁や昼の食事をここで行っていました。
この部屋からは、桜島を始め、亀石、鶴灯籠、御庭下段の梅の花、ヤクタネゴヨウの松が目に入ります。
裏山にはモウソウチクの竹林・江南竹林もあるため、「仙巌園」は中国の理想郷「蓬莱山」の象徴である松、竹、梅、鶴、亀のすべてが揃った、風水的にも良い場所とされています。
「御居間の間」。
欄間も素晴らしいな~♪
床の間の奥の壁には金箔が貼られています。
釘隠しは、赤蕪でしょうか?桜島大根?色が付けられた釘隠しは、初めて見たな♪
「御居間」前の廊下からの眺め。桜島が真正面に見えるのですが、大きな松の木の枝に隠れてしまっていますが…このお部屋が、この御殿で一番良い場所だそうです。
選定作業でしょうか、高所作業車が入っていました。
「御居間」の前には、池と手水鉢があって…
こちらのお部屋は…
「御小座(化粧の前)」
島津家29代忠義公が着替えたり、髪を結ったりするための部屋で、忠義公は古い習慣を守る人物で、息子の忠重公が随筆「炉辺南国紀」に「父は終生丁髷(ちょんまげ)を残していた」と書いています。
朝の身支度として、忠義公はここで髷を整えていました。
この部屋の天井板は、矢羽根状になっていて、立体感や奥行きを感じさせる工夫と言われています。
次のお部屋には、布団が敷かれていますが…
こちらは「御寝所」。
島津忠義公の寝室で、毎日規則正しい生活を送っていました。
朝は先祖の霊に礼拝、日中は「表(おもて)」と呼ばれる公式の時間で、羽織袴姿で仕事をし、夕方4時頃には「おななつ(おやつ)」を食べたり、散歩をしたりして、夜9時には就寝しています。
部屋の床下には、もみ殻が敷き詰められた層が設けられており、断熱材の高架を果たしていました。
こちらは板敷きになっていますが…
この部屋は、「御湯殿」。忠義公専用の風呂場で、かつては別の場所でお湯を沸かし、それを運んできていました。お湯を準備する者が出入りしていた戸が奥にご覧頂けます。
浴槽は再現したもので、水道管は後に設置されました。
こちらは、洗面のようです。
この部屋は、「御不浄」。忠義公専用の便所。手前が小用の便器で、臭い消しの役目として、杉の葉を束にしたものを中に入れていたと伝わっています。
奥の部屋には「樋箱(ひばこ)」という木製便器が設えてあり、底の部分が引き出し状になっていて、便を取り出し、医師が忠義公の健康状態を調べるために検査していました。
続いてのお部屋には、豪華な椅子・テーブルが置かれていて…
こちらのお部屋は「御小座(披露の間)」。
昭和天皇と香淳皇后(忠義公の孫)が行幸啓の際、到来物のお披露目のために用いられました。
廊下を進みながら、中庭を…キレイですね~♪
「中庭」の由緒書き。池中にが八角形の窪みがあり、「化粧の間」の前にも八角形の出っ張りがあり、この2つの八角形は風水の影響を受けており、陰と陽を表しているという説があります。
中庭の手水石。いい形だな~♪
中庭の白砂利の波目模様もいい~♪枯山水庭園のようですね。
「その4」に続く。
仙巌園
鹿児島県鹿児島市吉野町9700-1
尚古集成館
鹿児島市吉野町9698-1
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