面接では、「面接官に話を聞いてもらえる」ことが大前提となります。
当たり前のことなのですが、案外「話が聞いてもらえずに落とされた」、ということもあるのです。
今回は1次面接対策ということで、「話を聞いてもらう」ことの重要性についてお話します。
1次面接では、よほどのことがない限り落とされない?
1次面接は、集団面接のときもあれば個人面接のときもあると思います。
たまに聞く話に、「1次面接では、最低限のレベルに達している学生は通す」というものがあります。
学生の人間性まで深く追求するのは2次面接以降で、1次面接では、「まずこの会社には合わないだろう」と判断した人だけ落とすということです。
しかし、
「じゃあ、何度も1次面接で落とされている俺は、最低限のレベルにすら達していないのか……」
などとヘコむ必要はありません。
たとえ優秀であっても、慣れないうちは1次面接で落ちる人も多いです。
では何が落とし穴になっているのかと言うと、それは「話を聞かせる力」だと考えられます。
いくら優秀でも、話を聞いてもらえなければ意味がない
1次面接では、膨大な数の学生が受けに来ます。
面接官の方も、何度も面接を繰り返しているので
「正直なところ、めんどくさい」
というのが本音ではないでしょうか。
「話が長い」とか、「結論が見えない」ということを感じさせてしまったら、すぐに面接官の集中力は切れます。
要所要所でにこやかに相槌を打ってはいても、実はほとんど聞いていないという事態もありえるのです。
「こっちは人生がかかっているのに、そんな理不尽な」と思うでしょうが、向こうも人間なので仕方ありません。
そして、話を聞いてもらえなかった人は高確率で落ちます。
なにしろ、全然アピールポイントが伝わっていないのですから。
結論(アピールポイント)を先に言おう
結論を先に言うことは大事です。
論点がわからないままに話を進めていっても、
きっと面接官の頭には常に「?」マークがついている筈です。
それは、(一体何のためにこの話をしているんだろう)という疑問です。
最後になって、
「この経験から、私は粘り強さを身につけました」
という結論を聞けば、(ああ、粘り強さをアピールしていたのか)とわかりますが、
面接官は話に集中できていないので、その後で、(ええと……で、どんな話をしていたっけ?)となる可能性が高いです。
人間、興味のわかないことに関しては驚くほど忘れっぽいのです。
そうならないように、最初に結論(=話の終着点)を示してあげることが必要です。
いくつか論点があるのならば、
「アピールポイントは2つあります。1つ目は○○、2つ目は××です」
と最初に提示しておく必要があるでしょう。
あまり多すぎると相手が覚えられないので、2つか、多くても3つくらいにまとめておくとよいです。
最後にも結論を言おう
最初に結論を言っただけだと、最後になると面接官が忘れている可能性もあるので、
話の最後にも、きちんと結論を言い、相手に印象付けておくとよいでしょう。
具体的な数字を示そう
これはES対策でも書いたことですが、具体的な数を盛り込むと、凄さを相手にアピールしやすくなります。
同じ話であっても
「ライブイベントを企画しました」
「ふぅん、音楽が好きなんですね」
で終わってしまうことがありますが、具体的な数を示しておくと、
「ライブイベントを企画し、5000人を動員しました」
「それは凄いですね。それだけの人数を集めるには、苦労したでしょう」
「はい。いくつか工夫した点がありまして~」
という風に、話が広がっていく可能性が高くなります。
私の実体験
最後に、私の集団面接の体験談をひとつ。
某・松○電器産業の集団面接に行ったことがあります。
まず、私以外の2人が先に質問を受けていたのですが、面接官が話を聞いていないのが態度で丸わかりでした。
(この面接官の場合、「話を聞いてもらう」ことが最大の難点だな……)
そう思った私は、だいぶ話す内容を刺激的に変更しました。
冗談をかなり入れましたし、話題のチョイスも卑近なものをメインにしました。
あまりにアホらしいので普段の面接では封印していたのですが、「30kgもの減量に成功した」という話もしました。
体験談では、チームで努力した経験を話すのがセオリーなので、これはあまりオススメできないのですが。
結果として、この話はだいぶインパクトがあったらしく、面接官が身を乗り出して聞いていました。
一方、私の隣の女学生は某Sランク大学の学生で、司法試験の合格経験がありました。
自分がいかに勉強を頑張ったかを、ノートを見せて語っていましたが、面接官がうんざりしているのが目に見えてわかりました。
結局その女性は落ち、私は受かりました。
高学歴の猛勉強が、中学歴の体重ネタに負ける。
本当に理不尽な話ですが、これが面接の恐ろしさです。
どんなに努力した体験でも、相手に聞いてもらえない話は意味がありません。
「話を聞いてもらえる」ように心がけましょう。
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