2022年インターナショナル・オーディオショウ | オーディオの楽しみ

オーディオの楽しみ

一音楽ファンの目から見たオーディオのページです。いい音で音楽を聴けるのは至上の喜びです。

 

久しぶりに入場制限のないオーディオショウ。入場者は多いが、熱気は感じられない。なんせ記録的な円安で、輸入品の価格はものによっては禁止的な領域に入っている。比較的に元気がいいのは、国内メーカーだ。

それでも、展示の華は大物、スピーカーとパワーアンプということになろうか。

 

初めはいつもマランツのブースで、B&Wを聴く。マランツのプレーヤーとアンプは30万円クラスだが、非常に出来がいいようで、B&Wの800シリーズをいい音で鳴らす。これでいいじゃんと思うのだが、いつもここを基準点として、これ以上の音、これ以上の個性を探すことが恒例となっている。

それで太陽インターナショナルで、アヴァロンのIsis Signatureを、ナグラ、dCSで聴く。CDであるが、さすがに音場に奥行きが感じられて良かった。ただ、CD以外のソースはどうだろう。

CDプレーヤーは、いつ故障してもおかしくないので、常に買い替えを考えている。それで、アキュフェーズラックスマンを覗いた。アキュフェーズは、B&Wを使っているから、延長のようなものだ。新しいパワーアンプを中心としたデモで、いい音だが楷書の音。ラックスマンの音は元気がいいが、聴かせてもらったのはソースが静かなものだったので、機会があったら他のソースも聴きたい。

前回は整理券がなくて入れなかったヤマハは、運よく間隙を縫って10分ほど聴けた。NS-2000Aは、説明の人の言う通り、音場感を重視し、まさにそこにいるようなステージ感を出していたのでびっくり。内部の吸音材を極力排して実現したということだった。

ソウルノートは、やはりパワーアンプのデモが中心。弩級のアンプであるが、シングル・プッシュプルで弱音がよく出るようにしたという点ははっきりと確かめられた。このメーカーは、日本のメーカーの中では注目度ナンバーワンだろう。カタログ・データに拘らないという考えは、聴いていて楽しい音にもはっきりと表れている。

アッカは、私がいつも注目するYGアコースティックスを展示するが、新しいブックシェルフ型が登場した。かつてここのCarmelを真剣に検討したが、最大の問題はやはり価格だった。価格にしては小さすぎるのだが、今回もそこだろう。音はさすがに切れ味がいいと思ったから、この音が分かる人にはいいだろう。

アークジョイアは、Estelonを聴かせているが、これを動かしているのはSoulutionのアンプだ。ここは私の好きなアンプ・メーカーで、さりげない音だが、並々ならぬ実力を感じさせて頼りになりそうだ。

 

輸入業者にとってみれば、記録的な円安で大変だろう。内外のオーディオ・メーカーにとっても、相変わらず音の入り口は不在のままという、構造的な問題がある。今回ばかりは、どうにも元気がわかない。