~悪しき「海洋放出」を推進するための
政府(&原子力規制員会)の口実~
<「1F汚染水処分」社会的影響推定>
本音:「海洋放出」100年>「地層処分」10年
建前:「海洋放出」10年 <「地層処分」100年
東京電力福島第1原発の汚染水を浄化後に残る
放射性トリチウム(三重水素)を含んだ水を巡り、
処分方法を検討する政府の小委員会が
2018年5月18日、都内で開かれた。
処理水を海洋や水蒸気などで放出した場合、
風評被害などの社会的な影響が生じる期間は
処分完了まで10年程度になるとの見解を示した。
一方、
地層注入や地下埋設を選んだ場合は
約50~100年程度に及ぶ可能性を指摘した。
処理水を地層注入や地下埋設で処分すれば、
社会的な影響を与える地域は第1原発近郊に限られる一方、
処分に長期を要し、影響を与える期間が100年程度と推定。
海洋放出や水蒸気放出は
影響を及ぼす地域が海外や国内の沿岸など広範囲となる
恐れがあるが、
処分にかかる期間が10年弱と短く、
影響が残る期間も10年程度と見込んだ。
ただ政府は
これらの推計に
第1原発で増え続けている処理水は含めておらず
「処分する処理水の量や濃度で完了期間は変動する」
と説明した。
社会的な影響を抑える手だてについては
国内外に正確な情報を発信する対策強化を提案した。
風評被害の抑制、被害を補填(ほてん)するよう
経済的対策を丁寧に講じるべきだとした。
委員からは
「決定過程の透明化が大切だ。福島の人たちとの対話を重ね、
信頼関係をつくることが最も重要となる。
地域から反発の声が上がれば、
全国で風評対策を進めても効果が出ない」
などの意見が出た。
処理水の処分法の選択肢について
国民の意見を聞くため、小委員会は今夏にも公聴会を開く。
開催場所は福島県内などを検討しており、
2018年7月に予定する次回会合で詳細を詰める。
【原子力市民委員会】
<「第19回 原子力市民委員会」(発足5年目)>
〔「4つの意見書・声明」および「特別レポート5」の紹介〕
(1)「福島第一原発事故による
被災者に対する健康調査の拡充を求める意見書」
(2)「声明 トリチウム水は大型タンクに100年以上保管せよ」
[⇒約100年後、「半減期」累積、ようやく1000分の1に。]
(3)「声明 エネルギー基本計画は
原発ゼロ社会の実現を前提に見直すべき」
(4)「声明 火山影響評価ガイドの死文化を撤回せよ」
(5)「特別レポート5 原子力の安全基準はどうあるべきか」
(2018年4月30日)

~2018年4月20日現在~
タンク貯蔵水:約105万トン
トリチウム処理水:約86万トン
貯蔵容量:約110万トン
(最大)計画容量:約137万トン
~参考~


溶融燃料回収に高い壁 廃炉へ問題浮き彫り〕
(2018年3月10日 河北新報)
東京電力福島第1原発は事故発生から7年を迎える。
原子炉格納容器の内部調査で
溶融燃料(燃料デブリ)とみられる堆積物が
初めて確認されるなど、
この1年で溶融燃料回収に向けた準備が進んだ。
内部の状況が明らかになるにつれ、
炉心溶融(メルトダウン)の激しさや
廃炉の難易度の高さも改めて浮き彫りになった。
◎格納容器の内部調査/映像で確認 損傷激しく
東電と国際廃炉研究開発機構(IRID)は
2017年3月に1号機、
17年7月に3号機、
18年1月に2号機
の格納容器の内部調査に取り組んだ。
3号機の調査は
水中遊泳型ロボットを使用。
溶融燃料の可能性がある
複数の堆積物を映像で初めて捉えた。
見つかったのは塊状の堆積物や小石、砂状の物体。
圧力容器を支える台座の底部に広範囲に広がっていた。
落下した炉内構造物が散乱し、
堆積物に埋まっている状況も確認され、
損傷の激しさが見て取れた。
2号機の調査は
17年1~2月に続いて2度目。
前回調査の失敗を踏まえてロボットを使わず、
先端にカメラを装着した伸縮パイプを
圧力容器直下に差し入れた。
小石のような物体の近くに、
燃料集合体の最上部にあったハンドルも見えた。
東電は
「小石状の物体は溶融燃料とみて間違いない」
との見解を示した。
圧力容器の真下で毎時7~8シーベルトの空間線量を計測。
圧力容器の外側より低かったものの、
人が近づけない極めて高い線量に変わりはない。
溶融燃料取り出しには、
高線量下で長時間の使用に耐えられる
遠隔装置の開発が必要となる。
1号機は
格納容器の壁の貫通部付近の放射線量が特に高い。
そのため、2、3号機と異なる経路からロボットを投入し、
圧力容器を支える台座の外周部を調べた。
鉄製足場にロボットを走らせ、
隙間からカメラを滞留水の中に釣り下ろした。
厚く積もった砂状の堆積物に阻まれ、
溶融燃料は撮影できなかった。
◎工程表改定/気中工法軸 着手に遅れ
政府と東電は17年9月、
廃炉に向けた中長期ロードマップ(工程表)を改定した。
廃炉の核心である溶融燃料の取り出しについて、
原子炉格納容器を水で満たさず、
冷却水を掛け流しながら側面から回収する
「気中工法」を軸とする方針を盛り込んだ。
工法確定と最初に取り出す号機の決定時期は
1年遅らせ、19年度中とした。
国や東電に技術的助言を行う
原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)は、
格納容器に水を張って上から回収する「冠水工法」
を軸に検討を進めてきた。
容器上部の放射線量が高く、
前提となる止水工事が現状では困難と分かり
「気中工法が現実的」と判断した。
ただ、気中工法では
圧力容器に残る溶融燃料の取り出しは難しい。
2号機は
溶融燃料の多くが圧力容器にとどまっているとみられ、
回収に向けた工法の検討は棚上げされた格好だ。
東電やIRIDは、
気中工法の具体的な工法確立に向け、
技術的な課題を事前に検討する
「予備エンジニアリング」を進める。
初号機の選定は溶融燃料とみられる物体を確認できた
2、3号機を中心に進むとみられる。
工程表改定では
1、2号機に残る使用済み核燃料の搬出開始時期を
3年遅らせ「23年度をめど」とした。
21年度にいずれかの号機で溶融燃料の回収を開始し、
事故発生から
40年後の51年までに
廃炉を完了させる枠組みは維持した。
◎汚染水処理/トリチウム 処分法未定
福島第1原発で発生する放射能汚染水は、
1~4号機建屋周辺の地下水をくみ上げる
井戸「サブドレン」や、
建屋地下の氷の壁「凍土遮水壁」など
複合的な対策で減少傾向にある。
ただ汚染水浄化後も残る
トリチウムを含む水の処分方法は決まらず、
抜本的な解決方法は依然として見えない。
16年3月に稼働した凍土壁は
17年夏、完全凍結を開始。
現在は地中のほぼ100%が0度以下になった。
東電は今年3月1日、凍土壁の効果について、
1日189トンあった地下水流入量を
93トンに半減させているとの分析結果を公表した。
凍土壁の遮水機能は限定的といえるが、
サブドレンや雨水浸透を防ぐ舗装など、
重層的な対策が奏功し、
汚染水発生量は1日150トン以下に減っている。
凍土壁運用前、
汚染水の発生量は1日500トン近くに上っていた。
汚染水は多核種除去設備「ALPS」で浄化後、タンクに貯蔵。
ストロンチウム濃度を下げた18万トンと合わせ、
105万トンを保管している。
東電は20年までに
137万トンの保管容量を確保できる見通しを示しているが、
その後の建設場所などは決まっていない。
処理水は
除去できない放射性物質の一種、トリチウムを含み、
政府は有識者会議で処分方法を検討中だ。
通常の原発でも発生し、海に放出している。
原子力規制委員会は
希釈後の海洋放出を東電に求めているが、
福島県沿岸の漁業者らは風評被害を懸念し、
容認しない考えを示している。

〔廃炉カンパニー・小野明最高責任者に聞く 民間技術活用なども〕
(2018年4月20日 福島民友)
東京電力福島第1廃炉推進カンパニーの小野明最高責任者が
福島民友新聞社などのインタビューに応じ、
廃炉の現状や中長期的な見通しを語った。
廃炉の進行に応じた組織の見直しや
地元企業を含めた民間技術の活用などの可能性についても言及した。
―廃炉作業の現状を踏まえた中長期的な見通しは。
「長い時間を要する廃炉作業を進めるに当たり、
デブリ(溶け落ちた核燃料)の状況が全て分かってから
取り出しに向けた研究開発を始めるのでは遅い。
今ある情報をベースに途中で入る情報に対応し
方針を微修正していくことが必要だ。
必要であれば、
廃炉推進カンパニーの組織の見直しも視野に入れたい。
廃炉の進展に合わせて柔軟に考える」
―廃炉作業に
民間事業者や福島県の中小企業の技術を活用する考えは。
「これまで以上に(民間事業者に)アプローチする必要がある。
世界に目を向けると、
遠隔操作など廃炉に関わるわれわれの知らない技術がたくさんある。
『こういう技術が欲しい』と世界に投げ掛け、
その答えが返ってくるのを待っているだけでは不十分。
福島県の企業と共同できることもたくさんある。
大規模なメーカーよりも
小回りの利く中小企業の方がニーズと合う部分も多い」
―廃炉の進展を県民にどう示し、安全・安心につなげるのか。
「年内に予定する
3号機使用済み核燃料プールからの燃料取り出しなど、
今後も県民の方々が目に見える形で廃炉作業は進む。
そして、デブリの取り出し一つにしても
さまざまな調査の成果を明確に開示していく。
現状では、われわれが伝えたいことと
福島県民が知りたいことが
必ずしも合致していないことが多いと感じる」
―敷地内のタンクにたまり続け、
現在約86万トンとなっているトリチウムを含む水をどう処理する。
「計画上の容量は約137万トンだが、
それが限界とは認識していない。
処理方法については
国の検討結果を待ち、出された方針に従って遅滞なく進める」
~参考~
(元「放射線医学総合研究所」主任研究官&医学博士)
崎山比早子氏
「(最低でも)トリチウムの物理学的半減期(約 12 年)内は
貯蔵タンクに留めておくべき」
⇒更に言えば、(濾過残留の程度は別論として)
主要核種・ストロンチウム90とセシウム137
の物理学的半減期(約30年)との整合性から
(最低でも)約30年間は貯蔵タンクに留めておくべき。

〔東電・増田氏「5、6年でタンク満杯 」
~ 第一原発の汚染水処理計画に注目〕
(2018年3月5日 福島民報)
東京電力福島第一廃炉推進カンパニーの
増田尚宏最高責任者は
福島民報社のインタビューに応じ、
汚染水が現状のまま増え続けた場合、
5、6年後に構内の貯蔵タンクが満杯になる
との見解を明らかにした。
原子力規制委員会は
東電に対し、
放射性トリチウムを含む処理水の処分方法を
年内に決めるよう求めており、
いかなる新たな保管・処理計画を打ち出すか注目される。
福島民報社はインタビューで、
福島第一原発で発生するトリチウム処理水の
保管容量と今後の見通しを尋ねた。
増田氏は
今後も構内でタンクを増設し、
2020年までに計137万トン分を確保する計画だと説明した。
ただ、構内の貯蔵量は100万トンを超えており、
現在の一日当たりの汚染水発生量(渇水期)である
150トンのペースで増えた場合、
残り5~6年で許容量を超えると語った。
その上で、
「容量がいっぱいになるなら、
その前に処理の仕方を決めなくてはならないと思う」
と述べ、
タンクのさらなる増設などの対応が必要との認識を示した。
ただ、タンクを計137万トン以上に増やすには、
既存の建物を撤去するなどして
構内に新たなタンク置き場を確保する必要が
生じる可能性もある。
トリチウム処理水の処分方法についても尋ねたところ、
「国の小委員会の議論がまだ継続している。
議論を見ながら、国の主導の下で決めていく必要がある」
と述べ、
処分方法を絞り込んでいる国の結論を待ち
判断する従来同様の見解を示した。
原子力規制委員会の更田豊志委員長は
トリチウム処理水を保管するタンクの原発構内での保管は
数年で限界を迎えるとし、
早急に処分方法を決めるよう東電に求めている。
手法については、
トリチウム処理水を希釈した上で
海洋に放出するのが実現可能な唯一の手段だとしている。
一方、
福島県はトリチウム処理水の処分は
方法により新たな風評を招く可能性もあるとし、
東電に慎重な対応を求めている。
―廃炉作業では、
タンクで保管が続く放射性トリチウムを含む
処理水の処分方法が課題だ。
「137万トン程度まではタンクを造れるが、どこかで破綻する。
タンクを造り続けるのは、ずっと続くものではないと思っている。
最終的にどう扱うかは非常に大きな問題だ。
国の小委員会で
科学的、社会的な影響も含めて議論されており
国の指導の下に決めていく必要がある。
どの方式を選んでも影響を受ける方がいる。
その方と対話し、
処理の仕方を決めていくのは東電の責任だと思っている」
―溶融核燃料(デブリ)の取り出しに向けて、
どこまで進んだのか。
「1~3号機とも原子炉格納容器内の調査で
事前の解析と同じような結果を確認できた。
ただデブリの性状や詳しい位置が分からず、
もう一歩進めなければならない。
デブリを取り出す技術開発は、
精度を高められるので(取り出しは)十分できる。
取り出し方法を決めながらどうアクセスするか。
(廃炉工程表に基づき)2019年までにしっかり決めていく」
(広瀬隆)
【IWJ】
〔「黙っているとトリチウムを海に流される!
更田氏を規制委員長から外せという運動を!!」
~カオンタリオ湖はトリチウム汚染で
流産・死産増加、ダウン症候群1.8倍―広瀬隆が訴え〕
(2018年1月20日)
〔原発ミニ講座 第2回「トリチウム」〕~講師:村上茂樹氏
(2014年12月6日)