〔放射線被曝と「線維筋痛症」(若年性は難病指定

との関係について〕

「線維筋痛症」は

 

こちらにも、同じ動画

 

~米歌手レディー・ガガ(31)もいわゆる「入市被ばく」の可能性~

米歌手・レディー・ガガ(31)2016年11月~「線維筋痛症」で闘病

[⇒2016年11月18日、インスタグラムを通じて

慢性疼痛をわずらっていることを告白したが、

2017年9月12日、ツイッターを通じて、正式な病名「線維筋痛症」を公表した。

2013年には、股間節炎のため手術を受け、良くなったと考えられていたが、

慢性的な痛みに苦しんでいることを明かしていた。

なお、2016年11月18日の2週間前に、来日し日テレ番組等に出演していたが、

病気の気配は微塵も感じられなかった。

東日本大震災後に、2011年6月、2012年5月等、何度か来日している。]

 

 

「腰痛は国民病」キャンペーンの始まりなのか? (3/3)

「腰痛は国民病」キャンペーンの始まりなのか? (2/3)  ★

「腰痛は国民病」キャンペーンの始まりなのか? (1/3)

1985年から1990年にかけて,1232人の原爆被爆者を調べた。
その結果,

腰痛は3.6倍,高血圧は1.7倍,目の病気は5倍,
神経痛と筋肉リウマチは4.7倍に増えており,
胃痛・胃炎などでも同じ傾向である。

 

〔痛風患者は30年前の4倍以上に! 痛風予備群は1000万人〕

 

 

厚生労働省の国民生活基礎調査によると、

痛風で通院中の推計患者数は2013年についに100万人を超えた。

痛風予備群は1000万人以上といわれている。

痛風というと「中高年の特有の疾患」と思われがちですが、

いまや30代の痛風患者が急増しています。

↓グラフを見れば、

痛風を「中高年の特有の疾患」と決め付け安心することは

出来ないことがわかります。

また、とくに注目する点は、痛風患者が若年層に多くなりつつあることです。
年齢別で見てみると30代が1番多くなっていて、20代も増加傾向にあることがわかります。

 

 

≪放射線被曝と「線維筋痛症」について≫

 この二つは関係があるか
医学的にはいまのところ十分に検証がなされていないものの、
放射能による被曝は、
線維筋痛症の発症や症状の憎悪に関係している可能性があると思います。
 
・基礎医学書「線維筋痛症とそのほかの中枢性疼痛症候群」
Fibromyalgia & Other Central Pain Syndromes)の第5章に、
下記のような記述があります。
 
中枢感作症候群(中枢性過敏症候群)の患者は、
痛みの広がりがあるのは当然として、感覚異常や不快感もあり、
さまざまな刺激に対する疼痛閾値(いきち)や疼痛耐性は、いちじるしく低下している。 
温度、臭い、音、化学物質等の環境からの刺激はもちろん、
・・・さまざまな末梢への刺激に対して、
「過敏性」という(中枢感作に特有の)臨床所見を示す。
 
今回の原発事故で放出された放射線物質も自然界にはない異物です。
脳中枢が過敏になっている線維筋痛症患者には、
これも「刺激」である可能性はあります。
同じ中枢性過敏症候群に数えられる化学物質過敏症は、
普通の人の1000倍以上も化学物質に対して過敏になっていると言われます。
今回の事故では、「低線量被曝が長期に渡る」ことが予想されます。
FMの患者は、「たとえ少ない刺激でも、それが長く続くと症状が憎悪する」
ことが多いです。
今回の被曝が私たちにどんな影響をもたらすのか、
医学的な研究が十分ではなくても、患者としては気になります。
 
FMと「被曝による晩発性障害」との共通点
 このふたつには、いくつかの共通点があります。
その一つは、「同じ量の(被曝)刺激を受けた全員が、
同じように発症するわけではない」ということです。
 
「被曝」「刺激」に対する感受性が鋭い人とそうでない人
 放射能による晩発性障害が出るか出ないかには、個人差があります。
同じ量の被曝をしても、健康被害が出る人と出ない人がいるということです。
(一方で、このことが被曝と晩発性障害との因果関係の証明を難しくしています。)
FMの場合も、たとえ同じ量の刺激を受けても、
FMを発症する人とそうでない人がいます。
「刺激」に対する感受性にも個人差があるということです。
 
ふたつめの共通点:検査で異常が出ない
 
「原爆ぶらぶら病」
 被曝すると癌や白血病を発症することはよく知られていますが、
このほかにも、被曝によって生じる健康被害があります。
「原爆ぶらぶら病」です。
広島長崎で原爆が投下されたあと、
しばらくしてから、たくさんの人が体に変調を感じ始めました。
かれらは癌や白血病ではなく、血液検査や尿検査をしても異常が検出されず、
そのためになまけ病や詐病ではないかと言われました。
これが「原爆ぶらぶら病」です。
 
自分自身も被爆者である広島の肥田舜太郎医師は、
「内部被曝の脅威」(ちくま新書)のなかで、
この「ぶらぶら病」 を以下のように紹介しています。
 
「(被曝した人たちの中で、)病院で検査を受けても
どこも異常がないと診断され、それでも病気がちで身体がだるく、
仕事に根気が入らず休みがちになり、
それゆえ家族や仕事仲間から怠け者というレッテルを貼られ、
様々な悩み、不安の中で生きていた人たちがいる」
 
日本の民医蓮は、国連に出した報告書
「広島・長崎の原爆被害とその後遺」で、
「ぶらぶら病」を以下のように定義しています。

1・被ばくによって様々な内臓系慢性疾患の合併が起こり、
わずかなストレスによって病症の増悪を現す。
2・体力、抵抗力が弱く「疲れやすい」「身体がだるい」「根気がない」
などを訴え、人並みに働くことが困難。
3・意識してストレスを避けている間は病症が安定しているが、
何らかの原因で一度病症が増悪なると回復しない。
4・病気にかかりやすく、かかると重病化する、等。
 
また、FMも、通常の検査ではほとんど異常が発見されないことは周知の通りで、
この点も共通点しています。
 
ぶらぶら病と線維筋痛症・慢性疲労症候群・・酷似している症状
 上記を読めば分かるように、
この「ぶらぶら病」は、慢性疲労症候群や、線維筋痛症の症状と酷似しています。
「ぶらぶら病」は低線量放射線による健康障害であり、
低線量の被曝によっても健康障害が起こることは、
チェルノブイリ事故が起こるまでまったく注目されてこなかったため、
残念ながら、このぶらぶら病と被曝との因果関係の研究は、
ほとんど進んでいないと言っていいと思います。
同じように、被曝とFMとの関係を調査した研究も、
私の知る限りでは見あたりません。
 
(参考)
FMと被曝との関連を考えたときに、以下のようなことも興味深いです。
FMの近隣疾患である慢性疲労症候群の発症には、
レトロウイルスの感染が関係しているという説がありますが、
原水爆実験が盛んだった1950年代に生まれた子供に、
レトロウイルスの感染者が多いことが最近わかってきています。
このウイルスに感染すると、
「倦怠感があり、疲れやすく、微熱が出て、やる気が失われる」
という症状が出ます。
(「内部被曝の脅威」・ちくま新書、140ページ)
 
 
被曝などによって引き起こされた「湾岸戦争症候群」
 1991年におこなわれた湾岸戦争のあと、
放射能を含むさまざまな化学物質に晒された米国兵士に
さまざまな健康被害が出ました。
この「湾岸戦争症候群」も、
線維筋痛症や慢性疲労症候群と症状が酷似しています。
 
(参考)「もうひとつの核なき世界」堤未果著:小学館 2010124日 発行(149p~)

二〇〇三年十一月二十二日。
ジャパン・タイムズ紙は独立系の民間研究機関
「ウラニウム医療研究センター(UMRC)」の
所長・アサフ・ドラコビッチ博士による「湾岸戦争症候群の実態」についての
記事を掲載した。
ドラコビッチ博士は当時アメリカ国内で問題になっていた
「湾岸戦争症候群」の治療研究を担当、
その結果、帰還兵たちの体が高レベルの放射能に汚染されている事実を
発見した軍医だ。(中略)

 同論文で報告されているのは以下のような調査結果だ。(中略)
「湾岸戦争は、大気中に最低でも三百五十トンの劣下ウラン粉塵を放出した。
その結果、(劣化ウランによる体内被曝によって)」〈湾岸戦争症候群〉
という複雑で進行性のある多器官系疾病を引き起こしている。
症状としては、
通常の生活に支障をきたすほどの疲労や筋肉骨格関節痛、
頭痛、精神神経疾患、情緒変化、錯乱、視覚の問題、歩行異変、記憶喪失、
リンパ節症、呼吸器官機能障害、性的不全、尿路形態機能変質などである。
 
被曝はFMの症状悪化に関係するか
 たとえば、癌に罹患して放射線治療や化学療法を繰り返し受けたあと、
FMあるいは中枢性過敏症候群の症状が出た人はかなりおられるようです。
これは、癌にかかった精神的ショックやストレスが
関係している可能性もあると思いますが、
一方で、放射線や化学物質による刺激によって、
脳中枢の過敏化が引き起こされた可能性も考えられるように思います。
 
もう一つ、これとの関連で思い出すのは、「黒い雨」という映画の1シーンです。
先日亡くなくなった田中好子さんが、原爆症を発症した女性を演じました。
映画の中で、ヒロインは髪が抜けたり、倦怠感などが出たあと、
最後には、ものすごい痛みが全身に出て動けなくなります。
映画を見ていて、私は線維筋痛症に似ているなあと思いました。
原爆症で苦しんだ方は、症状が進んでくると、
体に痛みが出た方がかなり多かったのではないかと思います。
 
今回の原発事故では、
すでに発症している患者さんがたへの影響だけでなく、
今後、FMのような疾患が増えるのではないかという心配を感じます。
それに対してどんな手が考えられるのか、過去にいくつか記事を書きました。
 
被曝によって、白血病や癌、甲状腺障害や脳障害、心臓障害など、
さまざまな健康障害が発生することが指摘されている一方で、
FMとの関係に関しては、まだ本格的な研究がなされていません。
もし研究が進めば、
被曝とFMとの関連が、今より明らかになるかも知れません。
ですが、患者はそれまで待てないので、
今は、できるだけ被曝しないことが大事だと思います。
 
~参考~
 
~参考~