≪初期被曝⇒フリーラジカル⇒有機ラジカル⇒晩発障害

✴晩発障害に関し、

一部の「小児甲状腺ガン」、「白血病等の血液のガン」、

「脳卒中」&「心疾患」等は別論として、

圧倒的多数は、

広島&長崎の原爆症、チェルノブイリ、各種公害被害

の経験則から、

食物連鎖における生体濃縮のピークとされる

特に初期被曝から約10年後、特に約16年後~

(『固まりになる癌』〔固形腫瘍〕を中心とする)

本格的な爆増期に突入する。

もちろん、「被曝感受性」によって個人差は異なり、更には、

初期被曝はもとより、事後の慢性被曝の程度によって

晩発障害の発症の程度も大きく異なってくることは

言うまでもない。

 

~参考~

<癌の種類~病理学的分類>

A)『固まりにならない癌』:
「白血病」(血液の癌)と「リンパ腫」(造血組織の癌)
B)『固まりになる癌』〔固形腫瘍〕:★
Ⅰ「癌腫(カルシノーマ)」とⅡ「肉腫(サルコーマ)」

A)【白血病とリンパ腫】
一つ一つの癌細胞がバラバラのまま骨髄や血液の中で増殖し、
やがて正常な血液細胞までも癌性の血液細胞へ変わり、
体が機能しなくなります。

B-Ⅰ)【癌腫(カルシノーマ)】★
体の表面を覆う細胞である上皮細胞にできる悪性腫瘍。
胃癌、肺癌、大腸癌、乳癌、前立腺癌、甲状腺癌、皮膚癌など。
甲状腺などの腺組織からできる癌は、「腺癌」と呼びます。
若年層よりも高齢層に多い。

B-Ⅱ)【肉腫(サルコーマ)】★
筋肉や結合組織を構成している中胚葉由来の細胞の悪性腫瘍。
骨、軟骨、脂肪、筋肉、血管等、非上皮性細胞由来
の結合組織細胞に発生する癌。
高齢層よりも若年層に多い。

 

 

 

 

 

 

フリーラジカルとは、(放射線等によって強制切断された)

不対電子(奇数電子)をもつ原子や分子、あるいはイオンのこと。

〔⇒特に、不対電子(奇数電子)をもつ分子(ex、水分子H20⇒OH+H)〕

正常なもの(偶数)とは異なり、非常に不安定な状態。

ペア(対)となって安定した結合を求めるべく、浮遊化し、

想定外のあらゆる原子や分子、あるいはイオンと結合し、

想定外の有害物質に生まれ変わる可能性。

[⇒「有機ラジカルの生成」]

 

〔フリーラジカルと活性酸素〕

●「非常に反応しやすい」原子や分子、イオン
●攻撃された脂肪酸は有害物質「過酸化脂質」に変化

〔⇒特に、「不飽和脂肪酸」が「過酸化脂質」へと変貌〕

[⇒「有機ラジカルの生成」]

 

DNAへのダメージが変異に導く

       ~特に放射線(γ線等)を含む電磁波による影響

 

 

DNAは、化学物質と自然放射線から常に攻撃を受けています。

フリーラジカルは、人間の細胞の正常な新陳代謝の副産物

(一般的日常生活において不可避の事象)です。

明るい粒子が見えます。

時として、DNAと反応し、化学変化を起こします。

放射線もDNAに影響を及ぼします。

例えば、太陽の紫外線は、

皮膚のDNAに有害な化学変化を引き起こします。

この変化によりDNAによじれが生じ、

(複製段階において)遺伝子が正しく読み取られることを妨げたり、

(複製の結果生成される)蛋白質[*生命体の最も原始的基盤]

の種類を変更する欠落が生じたりします。

耐え間ない生物化学的な修復作業のおかげで

(変異⇒転写⇒翻訳⇒複製)影響が現れる前に、

ほとんどの突然変異は修復されます。

しかし、稀に変異が蓄積され、ガンなどの病気を引き起こします。

 
  [転写⇒翻訳⇒複製[「蛋白質」生成]の基本的生体メカニズム]

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放射線が水(H2O)に当たると

電子(e)をはじき出して活性酸素が生じる。

αβγはそれぞれ放射線の種類を表している。

 

 

 

 

 

 

 

 

≪放射線による有機ラジカルの生成と晩発影響≫

『酸化ストレスの医学第二版』診断と治療社(2014年)

監修/京都府立医大前学長・吉川敏一氏)

同書は、放射線と活性酸素種の関係についても

新しい観点を提起しており、大いに注目される。

とくに、活性酸素種が有機物と化合すると

「有機ラジカル」となり、

極めて長期の寿命をもつことになるという。

いったん酸化ストレスと抗酸化作用とのバランスが崩れた場合、

その影響もまた極めて長期にわたって持続し蓄積する。

しかもその影響は、

細胞分裂後の娘細胞へと受け継がれていくという。

何年何十年も経ってから現れる

放射線被曝による「晩発影響」も、

このような長期的な酸化ストレスの蓄積によるものとして

説明できるという。
つまり放射線は、

直接の作用によってだけでなく、

その生み出す活性酸素種という間接の作用によって、

がんだけでなく広範囲の障害や疾患を、

事実上ほとんどあらゆる病気を

長期にわたって増加させると考えなければならないのである。
ヤブロコフらは

『チェルノブイリ被害の全貌』岩波書店(2013年)において、

がん死はチェルノブイリ事故による犠牲者全体の約半数を

占めるという研究を引用している(178ページ)。

 

 

 

第9回「矢ヶ崎先生ゆんたく学習会」

福島県木戸川沖合2キロで、

2017年年1月下旬に採取されたクロダイに

27ベクレル/Kg、

30ベクレル/Kg

ストロンチウム90を検出しました。過去の最高値です

復興、帰還を強行する国と福島県の強烈な圧力のもとに

福島県内の地方公務員の方が9人も自殺しいます。

児童生徒がいじめで今年に入ってから4人も自殺しています。

これらが悲惨な状況が福島の棄民政策の悲しい実状です。
日本中で健康被害が危惧される状況で、

どのようにして命を守れるか?

「放射能キホンのキ」も学びます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考

内部被曝の恐るべき危険

~放射線は活性酸素を生みだし、

活性酸素はあらゆる病気を増やす

支配層側の専門家たちの多くが無視して認めようとしない

放射線被害のさらに広いより深刻な側面に進もう。

それは私の属する研究会がテーマとしている内部被曝の特別な危険性である。

図1のように、

外部被曝は体外にある放射線源からの照射であるが、

内部被曝は身体の内部に侵入した放射性物質からの照射である。


内部被曝には外部被曝とはレベルの違う特別な危険性がある

前回、チェルノブイリでは住民の被曝量の算定の中に

「内部被曝」の部分が四割含まれていることに触れた。

これは内部被曝部分を無視している日本政府よりは大きな前進であるが、

実際には内部被曝の危険性の過小評価である。

内部被曝には、外部被曝に還元することのできない深刻な危険性があるからだ。
内部被曝は、

主として、事故によって放出された放射性微粒子を吸入したり、

放射性物質を含む食品・飲料を摂取したりして、

体内に侵入した放射性物質によって起こる。

図2に見るように、

 

 

内部被曝の大きな特徴は、細胞の近傍から放射線が照射される点である。

したって内部被曝では放射線量自体はごく微量であっても

近傍の組織にとっては極めて高い線量となる。

とくに、図2のように

放射性物質が原子レベルではなく微粒子形態を取っている場合、

集中的な被曝となる。

放射線の直接的作用と間接的作用

放射線被曝のもう一つ重要な特徴は、

放射線には「直接的作用」と「間接的作用」があることである。

つまり、放射線の作用は、

照射によって直接に、遺伝子のDNAが切断されたり、

エネルギー代謝を司るミトコンドリアが傷つけられたり、

細胞膜やいろいろな細胞組織が損傷・破壊される等々にはとどまらない。
放射線はまた、

不安定で酸化力の極めて強い酸素(活性酸素)や対となる電子を失った

原子や分子(フリーラジカル)を体内で生み出す。

放射線は、この活性酸素種によってもまた、

DNA・ミトコンドリア・細胞膜やいろいろな細胞組織を「間接的に」傷つけるのである。

この効果は圧倒的に内部被曝に関連する。
発見者の名を取って「ペトカウ効果」と呼ばれているこの放射線の間接的作用は、

直接的作用と比べて損傷力が三倍あるいは四倍も強力であると考えられている。

活性酸素種とそれによる酸化ストレス

活性酸素種が健康に悪影響を及ぼすことについては、

すでに1960年代から知られている。

当初、活性酸素種は一方的に「悪玉」で、分解する酵素や抗酸化物は「善玉」である

と考えられてきた。

だが最近の研究では、活性酸素種の複雑な生体機能が明らかになりつつある。

ここでは、京都府立医大の前学長、吉川敏一氏が監修した

『酸化ストレスの医学第二版』診断と治療社(2014年)を参照しよう。
生体は、活性酸素種を自ら作り出して、

免疫機構の一部として異物を分解し細菌などを殺すために利用している。

他方では、活性酸素種によって生じる酸化ストレスは、

体内の各種の分解酵素や食物の抗酸化作用などによって打ち消している。

つまり、体内では、酸化ストレスとそれに対抗する抗酸化作用とは、

微妙なバランス状態にあるのである。

病気の九割と関連

有害化学薬品、金属、喫煙、大気汚染、太陽光線、ショック、血行不良などは、

体内の酸化ストレスと抗酸化作用とのバランスを覆し、酸化ストレスの側に傾ける。

これに放射線が加わる。

放射線とくに体内から発する放射線は、

たとえ微量であっても、常に活性酸素種を生成して強い酸化ストレスとなり、

酸化・抗酸化バランスを崩してしまう。

医学研究によれば、

活性酸素種が関与する病気は、付表のように極めて広範囲の多種多様であり、

病気のおよそ9割が関連するとさえいわれる。
つまり、

①活性酸素種はほとんどあらゆる病気や健康障害を促すこと、

②放射線は活性酸素種を生み出すことは証明されている。

両者を結びつけて考えなければならない。

心臓疾患の例

一つ例を挙げよう。

この間、福島原発事故後、放射能汚染の高い地域で、

心臓疾患による死者が増加している事実が指摘されている。

これは、心臓にたまりやすい性質を持つ放射性セシウムが、

脈拍や心筋収縮を司る細胞の情報伝達回路(イオンチャンネル)を障害することによって

生じると考えられている(井手禎昭著『放射線と発がん』本の泉社など)。
吉川氏らの新著によれば、

酸化ストレスは、平滑筋・血管内皮から「サイクロフィリンA」という

特殊なタンパク質の分泌、血管内皮の酸化ストレスをさらなる増幅、

サイクロフィリンAの冠動脈内への固着と不安定プラーク(かたまり)の形成を導き、

これがはがれて心筋梗塞を引き起こすというメカニズムが

「重要な促進因子として証明されている」という。
放射能汚染の高い地域における心臓疾患の増加についても、

放射性物質による直接の障害だけでなく、

さらに放射線が生み出す活性酸素が関与している可能性もまた十分に考えられるわけだ。

 

放射線による有機ラジカルの生成と晩発影響

 

同書は、放射線と活性酸素種の関係についても新しい観点を提起しており、

大いに注目される。

とくに、活性酸素種が有機物と化合すると「有機ラジカル」となり、

極めて長期の寿命をもつことになるという。

いったん酸化ストレスと抗酸化作用とのバランスが崩れた場合、

その影響もまた極めて長期にわたって持続し蓄積する。

しかもその影響は、細胞分裂後の娘細胞へと受け継がれていくという。

何年何十年も経ってから現れる放射線被曝による「晩発影響」も、

このような長期的な酸化ストレスの蓄積によるものとして説明できるという。
つまり放射線は、

直接の作用によってだけでなく、その生み出す活性酸素種という間接の作用によって、

がんだけでなく広範囲の障害や疾患を、

事実上ほとんどあらゆる病気を長期にわたって増加させる

と考えなければならないのである。
ヤブロコフらは『チェルノブイリ被害の全貌』岩波書店(2013年)において、

がん死はチェルノブイリ事故による犠牲者全体の約半数を占める

という研究を引用している(178ページ)。

 

福島原発事故の規模

~チェルノブイリ、広島原爆、ネバダ核実験との比較

ここでは、福島原発事故の規模を、

チェルノブイリ原発事故

(さらには広島原爆、米ネバダ核実験場での大気圏核爆発総計)

との比較で検討しよう。その基礎になるのは、放射能の放出量である。
政府は、福島原発事故後の早い時期に(約1ヶ月後)、

事故による放射能の放出量を暫定的に推計し、

チェルノブイリ事故の「1割程度」とした

(2011年4月12日、当時の原子力安全・保安院の発表)。

その後マスコミ報道や政界の議論などでは、この数字がいわば一人歩きしてきた。

それにより福島事故は

チェルノブイリ事故よりも「桁違い」に小さい事故というイメージが作られてきた。

だが、これは本当であろうか?

 

チェルノブイリとの比較

福島原発事故では、放射性物質の環境中への放出は、三つの形態で生じた――

①大気中への放出、

②直接の海水中への放出、

③汚染水中への(その一部はさらに地下水中への)放出である。

政府推計は、

①については、

原発敷地およびその周辺と主として日本国内のモニタリングポストのデータから

推計されており、太平洋にあるいはそれを越えて飛散したものは考慮されていない。

②③については

抜け落ちており、全体として大きく過小評価されている。

前回に検討したモニタリングポストの表示値の信頼性も問題となる。
ここでは今までに発表されている国際的な研究成果を基礎にして、

放出量を再推計してみよう。

単位は「ベクレルBq」が使われるが、

1秒間に1回放射線を照射する放射能量のことである。

ここではその10の15乗倍ペタベクレルPBqを使う。

ベースとなる放射性核種はセシウム137がよく使われる。
いま、

①の大気中放出量には、

ノルウェー気象研究所のストール氏らの推計を採用しよう。

これは、

包括的核実験禁止条約機構CTBTOが

全世界に保有する観測網による放射性降下物測定データを使っており、

信頼度が高いとされている。

②の直接海水中に漏れた放射能量には、

米カリフォルニア州政府資源局の調査委員会が引用している

フランスのベイリー・デュ・ボア氏らの推計をとろう。

③の汚染水中放出量については、

ALPSなどにより汚染水から吸着処理されたセシウム137の回収量によって、

その最低値をかなり正確に示すことができる

(ここでは東電の資料を解析した海老澤・澤井両氏の推計による)。
チェルノブイリについては、

最もよく参照される国連科学委員会の1996年の推計をとろう。

ただ、この数字は、最大値(上限値)であって、

比較のためには福島の方も最大値としなければならないという点、

またそれは大気中放出量①であり、

②③については

放出はなかったと考えられている点に注意が必要である。

計算すると↓表5の通りとなる。
すなわち福島原発事故は、

チェルノブイリに比較して、

大気中放出量で比較するとおよそ三分の二、

福島について大気中・海水中を合計するとほぼ同等、

3つの放出形態を合計すると4倍以上となる。

政府やマスコミのいう福島原発事故は桁違いに小さい事故である

という評価は全く当たらないのである。

 

広島原爆、ネバダ実験場での地上核実験爆発出力との比較

セシウム137をベースとして

広島原爆および米ネバダ実験場での地上核実験爆発出力と比較しても

福島事故の規模がよく分かる(↓表6)。
広島原爆との比較では、

日本政府自身が、

福島からの放出量がセシウム137換算で

「168発分」となることを認めている。

しかし上の推計からは、

それは実際には「約4158発分」ということになる。
原爆との比較では、さらに進んで

アメリカ国内のネバダなど核実験場での地上核爆発との比較を行わなければならない。Wikipedia 日本語版には、

「核実験の一覧」の項があり(米国エネルギー省の資料に基づいていると思われる)、

ネバダ実験場では合計171回の地上核実験が記載されている

(地下核実験への移行後も地上への漏洩はあったであろうが、

さしあたりここでは無視する)。

地上での核爆発の出力を全部合計してみると、2.5メガトン程度である。

広島原爆の爆発出力を16キロトンと仮定すれば、

日本政府発表の数字である広島原爆168発分で2.7メガトンとなり、

ネバダ実験場で行われた全ての地上核実験の総出力を上回る。

放射能放出量は、ほぼ爆発出力に比例すると考えられるので、

これは過小評価が明らかな日本政府の放出量推計値に基づいても、

福島の放出量はネバダ実験場での大気中への総放出量を

上回る可能性が高いということを意味する。
福島について現実に近いと考えられるストールらの推計の広島原爆597発分を採ると、

約9.6メガトンとなり、

福島はネバダ実験場での地上総爆発出力の約3.9倍になる。

ネバダ実験場の広さは鳥取県ほどあるといわれ、

周囲のほとんどは人の住まない砂漠である。

しかも、Wikipediaの記録では、メガトン級の核実験はネバダでは一度も実施されていない。
それに対して

福島では、

メガトン級の放出

(大気中放出量で9.6メガトン、総放出量では42メガトン)があった

にもかかわらず、

近くまで人々が住み続けており、

政府はさらに近隣に住民を帰還させようとしている。

政府が行っている、住民を避難させず反対に帰還させる方針は、

いわばネバダ核実験場の近傍に住民を住ませ続け、

さらに補償などで差別や期限を設け、

帰還を半強制的に進めるという措置であり、

「人道に対する犯罪」に等しいと言える。