昨年,朝日の声に載った私の原文 | 女王様のブログ

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ある女性教師の日常のこと,悩みや課題を率直に書いた,ぶっちゃけ話。

実際は,文章が長すぎたためこの十分の一の長さでした。


以下がその文です。


教員のためや英語言語そのもののための英語教育に反対!わが子を国の薄っぺらい政策に翻弄されてさるものか!教育には何が大切かもっと慎重に考えて欲しい。


 日本人としての誇りは英語の出来不出来では決まらない。ましてや,その英語を使って金儲けをしようとする卑劣な人間に,絶対子供たちを利用されてはならない。


私自身,英語の教師をしながら,教育そのものがなんでこのようになってしまっているのかと感じる一人であるから,今このときに伝えたい。


海外からやってきている英語教師からも,何で日本人はそんなに英語に金を使い,躍起になるのかと言われる。彼は英国紳士で,日本の武道に興味を持って日本に来た。日本人の女性と結婚して,日本に憧れていたそうだ。


しかし,現実はどうだろう?小学校までの教育は優れていると感じている彼は,中学・高校になってからの教育はいかがなものかと考えている。


いずれは小学校までそのようになってしまうのではなかろうか。英国でもフランス語を勉強するそうだ。彼は言う。「学校で教えようとするから,生徒は皆その言語を嫌いになる。実際僕はフランス語が大嫌いだったし,話せない,いや話さない。」と。



言語を習得するのは日本語ですら大変な労力と時間を要する。

息子が小学校に入学してから,親として感じるのだが,字を覚え,それを自在に使うようになるには,学校だけでなく家庭での指導も大事となる。


実際,息子が学校から帰り,私自身が彼の日記に目を通し,チェックしない日はない。息子は毎日日記を書いているが,これを英語でも出来るようにしろと言っていることと同じである。どれだけの親が英語を母国語と同じように堪能にあやつれるのか?(私は幸い英語をすこしかじっているから少し出来るかもしれないが,これを一般の家庭にしたら間違いなく混乱する。)


子供たちの社会や理科の知識をつける時間は?


体力をつける時間は?


コミュニケーション能力をつけるための,一番大切な他の友達と遊ぶ時間は?


日本語を修得させるにも大変な時間を必要としているのに,国は日本人に何を要求しているのか?


英語圏に移民でもして,もっとのびのびと子供たちを育てたほうが良いですよと言っているのか?



日本語で表現できないものをどうして英語で表現できようか?


一番大事なのは日本語で,まず日本語ありきだと私は思う。「国家の品格」を書いた藤原正彦先生の本の内容を,どれだけの日本人が手にし,自分のものとして考えることができているのだろうか?


日本は本当にこのままだと沈没しかねない。小学校から英語が導入されるとなれば,教育はますます混乱する。


私は現場にいてそのように感じる。子供たちに必要なのは先生方の温かいふれあいや言葉。そのままでいいのよ,そのままで君たちは本当に素晴らしいと励ましてくれること。


親以外で一番身近に接している先生方が,知識重視になってはいけない。


あくまで人物重視に!


どれだけ多くの日本人が,日本語で文学を語り,哲学を語り,人生を語ることができるのか? 


実際に自分の手を泥まみれにして働いている人達のことを素晴らしいと感じ,その人達を守っているのだろうか? 


海外の知識人は笑うだろう。日本人の愚かさを。薄っぺらな日本人のやり方を。



日本人として日本語で悪をのさばらせない勇気を持ち,利益もなしに陰で支える人を称賛しているのか?


日本人が今まで耐えて頑張ってきたものは日本語では語れないのだろうか?誰が弱い立場の人間を守るのか?英語が出来る人間だけなのか?




 教育現場を混乱させ,英語教育を公に早期開始させようとしている輩の中には,現場の教員の痛みを良く分かっていますよというふりをして,現場に入り込み,実は自分の私利私欲,名前をあげようと奔走している大ばか者がいるのではないだろうか?


教育現場だけでなく現在日本人の子供を持っているお母さん,お父さん,騙されてはならない,賢く真実を見極めよう!


誰が世の中を支えているのでしょうか?


あなた方一人一人が日本を支えており,私達のやり方が未来に影響を与え,現在の子供たちがいずれは未来を担っていくことを決して忘れてはなりません。


実はこれは,これから激動の時代を生き抜く,私自身の励ましの言葉なのかもしれません。英語よりもまずしなければならないことは山ほどあるはず,公金を余計なものに使うのは止めて欲しい。


害だけで利益全くなし。